企業価値向上表彰制度の活用価値

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東京証券取引所が7年前から取り組んできた企業価値向上の表彰制度は、着々と成果を上げてきている。

なによりもすごいのは、日本企業の間で企業価値向上への意識がグーンと高まってきていることだ。

その証明は、2月中旬に公表されることになっている、2017年度の大賞受賞企業と優秀企業の顔触れをみれば一目瞭然であろう。

この表彰制度は、各企業の1~2年間ではなく、長年にわたる企業価値向上努力をチェックしつつ、どこまでの水準に達してきているかを競わすものである。

その大賞や優秀企業に、歴史の古い大企業が2017年度は、堂々と顔を並べるまでになってきたのだ。

かつてであれば、業績を伸ばして安定的に配当を払えばいいだろう、といったあたりが日本企業の経営目標とされていた。

それが今や、安定度高く持続的な成長を追求しつつ、企業の所有者である株主の価値を高め続ける財務戦略が問われるようになってきた。

よほど会社全体で企業価値向上の意識を高め、その努力を追求し続けないと財務数字にすぐ表れてしまう。

小さな企業であればともかく、歴史の古い大企業ともなれば、相当な覚悟が問われる表彰制度といっていい。

その表彰制度の上位に、堂々と大企業が名を連ねるようになってきたのだ。 すごい意識向上と努力である。

さもありなんと思えるのは、上位50社の株価平均は TOPIX (東証1部株価指数)や日経平均を大きく上回っていることだ。

それも6年間ずっとだ。 であれば、企業価値向上の上位50社を投資対象としたファンドを設定すれば、平均株価を大きく上回る成績を期待できるはず。

もちろん、個人投資家も財務戦略がしっかりしている企業として、大いに参考にしていい。 とりわけ、下げ相場で価値を発揮しよう。