昨日の続きみたいになるが、財産づくりにつながる投資運用をしてくれる運用会社について、もう少し書いてみよう。
なによりも大事なのは、財産価値を保全しつつ殖やしていってくれるかどうかである。 それは、プライベートバンキングの要諦ともつながってくる。
一般的な財産づくりでは、投資運用で資産を殖やそう殖やそうと躍起になっている人が、ほとんどである。
資産を殖やすことばかりが前面に出てくると、より良い運用成績を出しているところへ資産を預けることが、財産づくりの第一歩と考えたくもなる。
メディアなども、1年3年5年といった期間で運用成績のランキングを表示して、運用会社の優劣を報道してくれる。
実は、これが意外と落とし穴になってしまうのだ。 10年20年30年といった時間軸での、本当の財産づくりにつながってこないケースもしばしばである。
投資運用においては、その時の時流に乗って華々しい成績を上げるケースは、そう珍しいことではない。
一時的に投資運用がうまくいって、いくら資産を殖やしたところで、次の運用で大きく目減りさせたりしては、財産づくりどころではない。
やはり、長期的にじりじりと資産が増えていくような、安定度の高い投資運用が望まれる。 とはいえ、毎年きっちりと成績を積み上げていこうとすると、投資運用ではなく資金運用になってしまう。
資金運用になってしまうと、成績の積み上がりも大したことないし、それこそ相場次第の財産づくりとなってしまう。
大事なのは、経済環境や相場動向に振り回されることなく、じっくりと長期の投資運用を進めていける体制を整えている運用会社かどうかだ。
その中には、インフレへの対応も入ってくる。 ほとんどの運用会社はマイナス金利を前提とした投資運用に留まっているが、それでは困る。
長期金利の上昇やインフレといったものは、10年の時間軸でしっかり読み込んでおきたい。 それを欠いた財産づくりは、きわめて危険である。