公的年金の株式運用(中篇)

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 【注意】下記の内容は澤上篤人個人の見解であり、さわかみ投信株式会社の考えおよび「さわかみファンド」の運用を説明しているものではありません。 個人の真意を尊重するため、原則、文章の修正はせずにブログを公開しております。

 年金のような長期にわたる資金スケジュールに運用を組み込むとしたら、株式投資の比率を高めるに限る。 理由は簡単で、長期の運用では株式投資が債券などを圧倒的に引き離した投資収益となるからだ。 それを裏付けるデータは山ほどある。

 日本では、1990年から株式市場はずっと低迷している? 日本株市場ではもう25年間も、まともな投資収益を出せない状態が続いている? それでも株式投資か?

 もちろん、そうだ。 たしかに、日本株市場は長期低迷といった状況で今日まで来たが、まともな長期投資運用ならどんな成績を出していただろうか。

 そこのところを考えてみよう。 まともな長期投資運用となると、さわかみファンドを引き合いに出すしかない。 それでも、16年半の実績で25年には及ばないが、日本には他に例がないから仕方ない。

 この16年半、日本経済も株式市場も長期的なトレンドとしては、ずっと低迷状態にあった。 それでも、さわかみファンドは年率複利で4%台の成績を残している。

 平均株価に対しては、2倍の差をつけている。 その間、安全な運用先だといわれ続けた国債など債券運用よりも高い実績を出している。

 それだけではない。 将来、景気や投資環境が上向いてきた時に、成績を一気に伸ばせるであろう買い仕込みをたっぷりとしてある。

 これらのどれをみても、長期の財産づくりは本格的な長期投資運用に限るといっていいだろう。 だから、公的年金も長期の株式投資を積極化していいはず。

 ただ、問題は本当に長期の株式投資をやれるかどうかだ。 年金運用を統括的に指図する上層部が、10年以上の時間軸で本格的な長期の株式投資を運用委託できるかどうか。 それだけの腹と覚悟を持てるかどうかだ。

 それができなかったら、公的年金の株式運用はやめておいた方がいい。 ただ相場を追いかけるだけの短期投資やディーリング運用、あるいはインデックス運用、いずれも株式市場の低迷を見ればわかるだろう。

 では、どうしたらいいのか? それは、明日書こう。