一般的に投資というと、儲かった損したから始まって、どうやったら上手く儲けられるかとか損失を最小限に抑えるにはとか、もうお金お金で明け暮れている。
そういったお金の亡者になりたくないから、投資には手を出さないという人が日本では圧倒的に多数である。 それでいて、老後が不安だとか年金はどうなるだろうかと、やはりお金のことを心配している人が大多数。
もっと大らかに生きようよ、お金は天下のまわりもので、どんどん手放すことが大事なんだよと、この長期投資家日記では一貫して主張している。
とにかく、お金お金の世界から抜け出してみようよ。 そしたら、自分を取り巻く世界がぎすぎすしたものから、心豊かで潤いのあるものに変わっていくのだからとね。
これは、この長期投資家日記を読んでくださっている皆さんの誰もが、当然だよなとうなずくこと。 どんな商売でもビジネスでも、お金を得よう得ようと眼を吊り上げたところで、そうそう簡単に儲かりはしない。
投資だって同じこと、世の中にそんな甘い話があるわけない。 そこをゴリ押しして、自分だけ儲かればいい後のことは知らんで市場に参加したところで、そういった銭ゲバばかりが集まっている。 銭ゲバの修羅場に出かけていっても、いくら頑張ったところで儲かりはしない。
ところが、お金を世の中に役立てよう、皆の幸せにつながるようにという思いで、お金に働いてもらうと、まったく違った展開となっていく。 そこには、稼ごう稼ごうで、一銭も失いたくない損するのは御免だという考えは毛頭ない。
その代わり、どうせお金に働いてもらうんだから、こんな方向で世の中を良くしていきたいという、自分の願いや夢を織り込むことはできる。 自分だけ儲ければいいやではなく、こういった方向で皆に幸せになってもらいたい、そこに自分も生活したいという願望や意思を、お金に託すのだ。
すると不思議なことに、お金は増えて戻ってくる。 それは当然のこと。 経済はお金を手放すことから始まり、手放したお金が人々の間をぐるぐる回ることで、経済活動はどんどん拡大していく。 経済のパイが大きくなれば、それだけ皆の収入が増えていき、皆が良くなってくれば、お金を出してくれてありがとうとなるのが世の習いである。
こう書いてくると、そんな青臭いこと言ったところで、世の中はそう甘くはないと一蹴されるのがオチである。 一蹴してくれる人々のほとんどが、冒頭に書いた通り、お金お金で毎日を送っているのだから笑えてしまうよね。
青臭いというのなら、われわれ長期投資家のように堂々と生きてみなよ。 儲けたい殖やしたいで血眼になるんではなくて、暴落相場で買いを入れてみなよだ。
多くの人々は大なれ小なれお金にとらわれている。 結果として、いつまでたってもお金お金の世界から抜け出せない。 一部は銭ゲバ投資に走り、大多数は投資なんて御免だで思考停止したまま。 その横で、個人の預貯金マネーは年0.02%の富しか生まないのに、 GDP の1.7倍の816兆円へと膨らみ続けている。
もったいない話である。 なんとしても長期投資の文化を広めよう。 青臭さいといわれようが、長期投資で堂々と生きていく人々を殖やしていくのが、われわれの使命である。
とにかくも、預貯金に眠らせているお金をどんどん長期投資にまわし、日本経済社会を元気にさせていくのが、この時代に生きる大人の責任である。