へなへな売りで売るものは?

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 株式市場は年に3回か4回ぐらい暴落相場というものに遭遇するが、日本の場合はとりわけ過剰に下がる習性がある。 今回の下げも、昨年の高値からみると日本株市場は14%の下げとなり、米国市場などの2倍強の下げ幅となっている。

 新興国通貨が売られたりで世界経済の成長スピードが鈍る懸念が出ているところへ円高ときたから、日本株は一層の売り圧迫を受けても仕方がないという専門家もいる。

 そういった相場の読みというか見解は、どんどん好きにやってくれて構わない。 彼らの言動なんて現状を語るだけのことで、どっちみち相場動向次第でどうにでも変わるものだから。

 気に食わないというか情けないのは、相場の下げに買ってやろうと行動する投資家が日本には全くといっていいほど存在しないことだ。 だから、日本株市場はだらしなくというよりも真空状態の下げとなったしまう。

 それどころか、下げたら買ってやろうという骨のある投資家がいないから、下げ相場を売り乗せしてくる投機筋にやりたい放題の荒稼ぎを許してしまう。 彼らはドカーンと買い向かわれることを警戒しながら売りを仕掛けてくるが、日本ではその心配がいらないから楽なものである。

 機関投資家にしても個人にしても、昔から株式投資は相場ものとする考え方が強すぎる。 相場なんて買えば上がるし、売れば下がる。

 一方、投資は安く買って高く売るものである。 それなのに日本の投資家は、ちょっと売られたから青くなって、もう売り逃げに走ることしか考えない。

 株式投資は企業の株主になることであって、株つまり相場を買うものではない。 企業の業績動向がこれだけ良くなってきているのに、下げて安くなったところを買えないなんて投資家の名が廃れる。

 業績悪化を先取りしている? 分かっていないよね、株をどんどん買って株価が上がれば、その心理効果と資産効果で景気を押し上げる作用が働くということを。 世界経済の成長だって今後もずっと続くことだし、長期的にみて株価は上昇傾向にあるのは誰も否定できないはずなんだけどね。

 われわれ長期投資家はこの下げを積極果敢に買って企業を応援し、世界の人々が願う経済成長をお手伝いしようではないか。