昨日の日曜日は、山口県の下関でセミナー。 3年以上ぶりのセミナーでもあったので、下関のみならず山口市とか近辺からも数多く参加していただけた。 地方の方々がもっともっとセミナーに参加してもらえるようにしないといけないなと、あらためて思った。
前日の岡山でもそうだったが、みなさん本格的な長期投資と、一般的な ”銭ゲバ投資” との違いについて、しっかり考えてもらえた。 銭ゲバ投資というと表現が悪いかもしれないが、儲けよう自分だけ儲けようで必死になっている人達は、お金ばかりを追いかけている。 自分のお金さえ増えれば、それで良しだから銭ゲバである。
世の中で自分だけ儲かる旨い話なんて、あるわけがない。 もしそんなのを持ちかけられたら、詐欺話だろうと直感して誰も相手にしないはず。 もっと言えば、読者の皆さんもそうだろうが、みな真面目に働いて生活の糧を得ている。 ぱっぱと稼いで生きているわけではないはず。
それなのに投資といった瞬間、みな人が変わったようになってしまう。 日頃はまじめに働き地道に生きている人も、投資となると不思議なことに、 ”ぱっぱと儲けるもの” と思い違いをしてしまう。 これは機関投資家も一緒である。 年金などを運用するプロかもしれないが、人より上手く儲けよう、できるだけ多く稼ごうと躍起になっている姿は、銭ゲバそのものである。
経済はみなの生活が集まって、時々刻々と出来上がっていくもの。 その中で、自分だけ儲けようとすれば、他の人たちの生活にしわ寄せが行く。 もし、みなが自分だけ儲けようと血眼になれば、経済そのものがガタガタになってしまう。 結局は誰にとってもプラスにならなくなる。 やはり、みなで頑張って経済のパイを大きくしていって、その分け前をみなで分かち合うのが一番だろう。
われわれの長期投資は、そこのところに存在意義を見つける。 みな真面目に働いて生活しているように、お金にもじっくりしっかりと働いてもらおうとする。 間違えても、お金にぱっぱと儲けて来いとは言わない。
経済のパイを大きくしていく方向で、かつ社会を良くしていく方向で、お金にしっかりと働いてもらう。 経済が健全に拡大発展していけば、お金も増えて戻ってくる。 お金がしっかり働いて、増えて戻ってくるからリターンという。 投資のリターンとはそういうことだ。 どこにも、自分だけ上手いこと儲けるという意味はない。
そんな甘っちょろいことをいっているから、さわかみファンドの成績が低迷する? まだ、わかっていないようだ。 ファンド仲間の皆様からお預かりしている大事な財産は、ずっと1円の無駄もなく経済の現場で懸命に働いてくれている。 日本経済のパイを大きくさせようと、それこそ必死に逆風と闘ってくれているのだ。 それなのに、成績が出ていないぞと銭ゲバ的なこといっては、お金が可哀そう。
心配いらない。 経済を元気にさせ世の中を良くしようと頑張っている企業を熱く応援するのが長期投資家の役割と、銭ゲバ投資家が売っている安値を徹底的に拾っているのだ。 そのうち状況が好転して、銭ゲバ投資家が慌てて買い群がってくるだろう。 その頃には、お金も大きく増えて戻ってくる。 ここは、お金にトコトン働いてもらおうぜ。
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