どのぐらい上がるかな

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 欧州中央銀行 (ECB) がスペインなど南欧国債の無制限買い入れを発表したことで、各国市場の株価は大幅に上昇した。 それを受けて、さすがに今日は日本株市場も反発してくれそうだ。

 おもしろいものだよね。 世界中の株価がこれだけ反発するのなら、早めに買っておけばどれほど楽だったか。 誰もが分かっているのにそれが出来ない。 ECB の発表で、ようやく安心して買い注文を出しているわけだ。

 まあ、世界中の投資家が機関投資家も含めて短期のディーリング指向を高めているから、こういうことが頻繁に発生するのだろう。 最新の経済指標や昨日のようなニュースに、ぱっと反応して買ったり売ったりする。 彼らはそれが投資だと思い込んでいるが、全体では巨額の資金がディーリングされるわけだから、ぱっぱの売買で一体どれだけの利益を得られるというのか。

 巨額の資金を運用するなら、よほど早めに買いや売りに入らないと、資金量に見合うだけ十分に買ったり売ったりできない。 そんな当たり前のことさえ意識せず、マーケットや株価の上げ下げに飛びついたり、ぱっと逃げようとしているのが、世界中の投資家の一般像である。 いっておくが、年金を含め機関投資家もこういったディーリングにのめり込んでいるのだ。

 年金のような巨額資金、それも本来は10年20年の時間軸で、じっくりと長期投資すべきもの。 それが、短期の成績を追い求めるあまりディーリング指向を高めるなんて、どう考えてもおかしい。 そんな巨額の資金を短期の回転売買にまわすなんて、物理的にも無理がある。 それでも、現状は目先の経済事象やニュースに飛んだり跳ねたりしているわけだ。

 われわれ長期投資家からみれば、なんとも忙しいことよとしか言いようがない。 年金運用を委託するほうも、受託して運用する方も、そろそろ巨額な資金量に見合った運用とはどんなものか、見直したほうがいいと思うがね。

 まあ、ともあれ今日は高くなってくれそうだから、久しぶりに気分のよい週末となりそうだ。

 

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