株主資本主義、早く終わってくれ

Browse By

カネあまりバブルがまだ続いているが、一刻も早く大崩れとなってもらいたいものだ。

いつのバブルもそうだが、終わった後の混乱は庶民生活に大きな負担をもたらす。

だから、バブルなど早く崩れてしまい、後始末での社会混乱をできるだけ小さく抑えたいと主張しているわけだ。

ともあれ、現在進行中の壮大な金融バブルは、もう時間の問題で大崩れに入っていこう。

それは、金融主導の経済が大幅縮小し、実体経済の復権と株主資本主義の終焉を意味する。

マネーの大量供給でバブル膨れするに任せてきた金融マーケットが、熟柿の落ちるように大崩れに入っていくのはイメージできよう。

代わって、金融バブルが崩壊しようが株式市場が大暴落しようが、いつでも存在している実体経済が前面に出てくる。

それが実体経済の復権ということだが、人々の生活とそれを支える企業活動が主体となった経済活動本来の姿に戻るだけの話。

株主資本主義の終焉とは? この40年ほど、企業は株主のものという考え方がどんどん支配的になっていった。

株主の利益最大化がすべてであって、とにかく利益を高めろ、配当金を増やせ、自社株買いをしろと、企業を追い立てる。

それを実行させるべく、プロの経営者という輩を眼が飛び出るほどの高給で雇い、企業をして短期利益追求に邁進させた。

つまり、人件費はできるだけ抑えろとなって、従業員のコストカットや非正規雇用者の増加を促進させる。

それが、米国を中心にして先進国全般で国民の低所得化や消費減退を招き、成長率鈍化につながってきている。

あるいは、短期の利益最大化にはマイナスとなる長期視野の研究開発や設備投資などは抑え、企業の潜在競争力を奪ってしまっている。

まさにそれが、最近の日本の大企業に顕著な革新性や成長力の低下となって表れているではないか。

企業はもともと、社会にどれだけ富を生み出すかが問われている。 それが、付加価値といわれるものだ。

付加価値の中には、人件費が大きな比率を占め、減価償却費や研究開発費、利払い費、賃借料、税金なども入ってくる。

それらの費用を社会に還元して、残ったものが利益であり、そこから配当金など株主への還元となる。

そう、最終利益だけが企業の存在目的となっては、経済も社会も歪むばかりとなる。 成長率も高まりようがない。

そのあたりの猛反省が、金融バブル崩壊で企業や金融機関そして機関投資家に迫られることになろう。