世界の景気も金融マーケットも、相当に歪んでいて、その歪みがどんどん大きくなっている。
歪み? コロナ禍ということで、タガが外れたような金融緩和と資金供給が世界を覆っている。
それが、カネあまり株高やジャンク債の大盛況などとなったりしている。
いわば、金融マーケット全般のバブルを、これでもかこれでもかと膨らませているわけだ。
一方、企業経営に目を移すと金利コストはゼロ同然で、資金はいくらでも調達できる。
ということは、どんなヘボでも企業をそこそこ経営していけるわけだ。
通常ならば、企業経営者は金利コストや資金調達に苦しみながら、鍛えられていくもの。
それが最近は、どの企業にとっても、ウソみたいに甘い事業環境が続いているのだ。
見方を変えると、金融緩和とゼロ金利に甘えたゾンビ企業を大量生産していることになる。
ゾンビ企業? そう、異常なまでの金融緩和とゼロ金利でもって、なんとかまわしているだけの企業群だ。
そういった柔な企業群の中には、起業ブームに乗って次から次へと顔を出してくるベンチャーも入ってくる。
ことわざに、疾風に勁草を知るというのがある。 これは、ちょっと強い風や逆風にさらされると、大半がたちまちなぎ倒されてしまうことをいう。
つまり、本当に強い個人や企業のみが残る。 企業経営では、淘汰の嵐が吹き荒れることだ。
早い話、金融緩和もゼロ金利もいずれ限界が来る。 その時、多くの甘っちょろ経営の企業はなぎ倒されていく。
そこで発生する頭痛の種は、企業倒産の多発と失業発生が社会問題となっていくことだ。
なんのことはない、コロナ対策ということで金融緩和とゼロ金利を続ければ、それだけ将来の頭痛の種を抱え込むことになるのだ。
そろそろ、張子の虎の株高や経済運営を見直して、中身のある景気回復を目指した経済運営に舵を切るべきだろう。
具体的には、一刻も早く金利を正常化させることだ。 それでもって、張子の虎の部分を早め早めで削ぎ落としていくのだ。
そうしないと、金融バブル崩壊による資産デフレと金利上昇とで、暴力的な淘汰の嵐に見舞われることになる。