NY市場は少しずつ変調をきたし始めているようだ。
昨日の大きな下げも、長期金利が2.78%をつけてきたのを嫌ってのもの。
インフレ傾向が強くなってきており、それが長期金利の上昇となって、投資家心理を弱気に傾かせているわけだ。
とはいえ、史上空前のカネ余りを背景に、投資家の買い意欲はまだまだ旺盛である。
それで、ここまでも幾度となく大きく売られては、すぐさまの反発となっている。
相場のことだから、この先どうなっていくのかは神のみぞ知るのところ。
ただ、はっきりしていることがある。 どんな相場展開にも、物理的な力が働く。 それは間違いない。
どういうことか? その時々の投資家人気や、投機の思惑でとんでもない価格が出現しても、いつかは終わる。
大きく買われてものは、どこかで売られ始めたら、そこまでの買いの重みで驚くほどの下げとなる。
それが、物理的な力が働くというわけだが、言ってみれば当たり前のことだ。
いまNY市場でみられる高値圏での膠着状態が続けば続くほど、それは将来の売り圧力の積み上がりとなっていく。
もっとも、幾度となく繰り返している反発高が、少しずつでも上値を抜いていくのなら、話は別だ。
つまり、買い方の回転が効いて、さらなる上昇相場につながっていく展開となっていく。
ところが、NY市場も東京株式市場も、新高値を付けていくような反発高は、とんと見られなくなった。
逆に、カネ余りの勢いで戻りを狙った買いが次々と入ってきたものの、回転は効かなくなっている。
それが、ずっしりと効いてくるのだ。 時間の経過とともに、その重みがどんどん相場の下げ圧力となっていくわけだ。
この物理的な力は、どこかで猛威をふるう。 つまり、カネ余りとかの買いを吹っ飛ばすような下げ圧力となる。
それが暴落相場のはじまりとなる。 暴落相場といっても、ここまで大きく買われてきたものが売りに曝されるだけのこと。
買って買いまくってきたものが売られ始めたら、これまでの買いが売りに一転する。 ごく自然の現象である。
われわれ長期投資家は、止めどもない売りに曝されるようなバブル投資はしていない。
したがって、なにも怖れ慌てることもなく、暴落相場を眺めていればいい。
そして、タイミングをみて断固たるバーゲンハンティングに入るのだ。