今後の展開をあれこれ考えるに、長期の株式投資をしておくのが最も安全であり、かつ賢明と断言してもいい。
断言する? そう、投資の世界で確実にとか断言なんて表現はあり得ないこと。 それこそ、絶対に避けなければならないはず。
なのに、現状とその先をみるに、どう考えても長期の株式投資が最も安全で賢明となってしまうのだ。
ひとつずつ洗ってみよう。 こんなゼロ金利下で預貯金にしておくのは、利殖にもならないし、まったくの無意味である。
それどころか、これだけ大量に資金をばら撒いてきているから、お金の価値は下がっている。
いずれは世界的なインフレの嵐に襲われようが、インフレあるなしにかかわらず、購買力が下がっているのは間違いない。
つまり、お金を抱え込んでいたところで、得るものはない。 それどころか、財産を大きく目減りさせているのだ。
次に、金融商品のほとんどは現在進行形の金あまりバブル高に乗っかっており、バブル崩壊とともに巨額の損失に見舞われる。
株式市場もすさまじい暴落は免れない。 今を時めいている銘柄群は、その反動の売りが集中して収拾のつかない下げとなろう。
金あまりバブルが崩壊すると、資産勘定の多くが蒸発したかのように消え去り、負債勘定はまるまる残る。
その差額は資産デフレとなって、金融マーケットのみならず経済全体に重くのしかかってくる。
90年代に入って日本のバブルが崩壊したが、土地と株式投機で生じた資産デフレは1200兆円から1600兆円の間と見積もられた。
つまり、日本経済の2.2倍から3倍という巨額の負債勘定が残ったわけだ。 それが、その後30年に及ぶ日本経済のデフレ現象をもたらした最大の要因である。
現在進行形の世界的なカネあまりバブルは、史上空前の規模で大量の資金供給が続いている中でのもの。
いずれ発生する資産デフレの規模はそれこそ天文学な金額となり、収拾のつかない大混乱は避けようがない。
資産デフレに直面し、世界的なカネあまりは一転して現金不足と信用収縮で、あちこちで悲鳴が上がろう。
バブルに踊ってきた企業や金融機関の多くが経営破綻に追い込まれようし、国も中央銀行も今度はお手上げ状態になろう。
マーケットや経済がガタガタ状態になり、なにを当てにして良いのかで価値観も、大いに崩れよう。
そうなってくるにつけ、人々の生活から一歩も離れない長期の株式投資が、なによりの安心感をもたらしてくれる。
バブルが吹っ飛ぼうと、経済が大混乱に陥ろうと、人々の生活はなくならないし、それを支える企業活動も相変わらず続く。
そういった企業群の株主になるべく、長期の株式投資をしておけば、資産の置き場所として一番安心できるはず。