世界の運用ビジネスも大変ですな!!!

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 フランスはパリのコムジェスト社が隔年で開催しているアナリストミーティングに行ってきた。 コムジェスト社は長期投資にこだわる世界でも数少ない運用会社の一つである。

 2日間のパリ滞在で感じたことは、長期運用野郎を自認しているコムジェスト社でさえも、世界の運用ビジネスの大きなトレンドには逆らえないようだ。

 どういうことか? コムジェスト社は機関投資家顧客を対象にマーケティングをしているが、いつでも長期の運用資金を念頭に置いている。

 これは、コムジェスト社の創業の理念でもあるが、年金などが求める毎年の成績に追いまくられるような運用資金とは一線を画した運用ビジネスを展開している。

 さすが長期運用野郎の面目躍如といえる、その哲学は以前からまったく変わっていない。 また、長期投資にこだわるが故に、コムジェスト社の運用成績は他を圧している。

 しかしながら、投資家顧客の方が短期指向化しているのは、どうにもならないようだ。 6年前も4年前も、その点の問題意識で熱く語り合ったが、今回はそこまで話が進まなかった。

 ひと昔前までなら、これこれの実績を残しているということで、投資家顧客の方はそれならと長期の運用資金を任してきた。

 結果的には、それが良い成績につながり、顧客とのお付き合いも長期的になるという好循環となっていった。 

 ところが最近は、情報伝達のスピードが上がっており、「あっちの方が成績よさそうだ」といった評価が、それこそ世界べースで広がってしまう。

 すると、投資家顧客の方はどうしても比較情報に引きずられがちとなり、より良い成績を出しているといわれる方へ資金を移動させたくなる。

 顧客サイドからすると、より良い成績を出してくれるのなら、コムジェスト社にこだわる理由はない。 となると、コムジェスト社の対顧客アプローチも、その辺りを意識せざるを得ない。

 つまり、投資家顧客のお尻が軽くなるのなら、こちらも攻めのマーケティングに走ろうということだ。 それで、新規に米国にもオフィスを構えることになった。

 マーケティングを積極化させようとすると、どうしてもスタッフの数も増えてしまう。 10年前は30名そこそこの典型的な運用ブティックだったコムジェスト社も、いまや150名を要する運用会社となっている。

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