だまって買っておこう

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 株式市場は「セリング・クライマックス」に近い状況になってきた。 リーマンショックの時もそうだったが、やみくもな売りで一色の相場状況を、セリング・クライマックスという。

 そういった状況下では、理性も合理的な判断力も、すべてそっちのけ。 売り方はますます勢いに乗るし、逃げる方はただ脅えて保有株を投げるばかり。

 片やニンマリ、片や真っ青といった状況下にある。 どちらも、眼中にあるのは強烈な下落症状をきたしている株価だけ。 いま現在の暴落相場にどっぶり浸っているわけだ。

 こういった修羅場は、株式市場に限らず相場というものには付きものである。 いってみれば、儲けよう儲けようで相場に群がってくる投資家たちが、時として遭遇する現象である。

 いつの暴落相場でもそうだが、儲けよう儲けようで値上がりしそうな株式を、あれやこれやと追いかけてきた投資家たちの多くが、大きな損失を被って消えていく。

 彼らは企業を応援しようという意思も意欲も、大体からして持っていない。 だから、、株価が下がったらもう逃げることしか考えない。 むろん、売っている連中は株価の叩き壊しを屁とも思っていない。

 そういった時ほど、われわれ長期投資家の価値が高まる。 これはと思う企業と一緒により良い社会をつくっていこうとしているのだから、暴落相場やセリング・クライマックス時ほど応援のし甲斐がある。

 したがって、長期投資家はこの棒下げ相場を逃げたりはしない。 どんどん応援買いを出していく。 なにしろ、応援しようとする企業は株価が下がろうと、今日も頑張っているのだ。

 ここで応援買いしなかったら、長期投資家の名が廃る。 やみくもな売りが多いから株価が下がっているだけで、そこを逃げるなんて長期投資家の名折れである。

 どんな暴落相場も、売りが出尽くせば下げは止まる。 そして、もう売りが出尽くしたから、戻りに入ったら早い。 そこで慌てて買ってくるが、世の中に多い株価を応援する投資家たちである。

 まあ、われわれ長期投資家は、こういった時はあれこれ抜きで、だまって買っておこう。 私事で恐縮だが、身内にはありったけのお金で、また保険を解約してでも、さわかみファンドを買っておけといっている。