韓国にも、さわかみファンドが出てきてほしい

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 12月4日にソウルで、参加者15,000~18,000人の大々的な投資セミナーが開かれる。 主催は韓国の主要新聞社やテレビ局が共同で、目的は韓国に投資文化を浸透させようということ。

 韓国の場合、首都のソウル中心に住居用の不動産購入が資産形成の柱となってきた。 一方で、株式投資などはギャンブル的な受け取り方が強く、投信でも年20%とか30%の成績を出せないと話にならないとされてきた。

 ところが、すさまじい勢いで伸び続けてきたマンションブームが、価格的にも市場の需要と供給バランス的にも、行き着くところまで行ってしまった。 むしろ、高騰しすぎたマンション価格の値崩れ懸念さえ出てきている。

 そこで、あらためて問われてきだしたのが、ギャンブルや博打ではない本格的な投資というものへ、国民の意識と関心を向けさせようということだ。 それが、12月4日の大セミナーである。

 講師として、ジム・ロジャーズとかマーク・モビアスといったアジアで著名な投資家が招かれている。 自分にも、さわかみファンドの話を伺いたいという依頼が来た。

 実は、もう10年ぐらい前から韓国では、さわかみファンドは知る人ぞ知るの存在となっている。 自分の著作もかなりが、ハングル語になって出版されている。

 そして、さわかみファンドを韓国でも買えるようにしてくれという要請が、ずっと続いている。 それに対しては、韓国の皆さんが自分でさわかみファンドのような本格派の投信をつくろうよ、いくらでもお手伝いさせてもらいますよと応えてきている。

 実際、8年前にはアセットプラスという運用会社が直販の投信を立ち上げた。 さわかみファンドの弟分といった関係で、ずっと仲良くさせてもらっている。

 ところで今回の講師要請は、ちょっとニュアンスが違う。 話を聞いてみると、韓国は日本以上に高齢化が進んでいるし、経済成長率も落ちてきた。 もはや投資をギャンブル扱いしている段階ではなく、もっと真っ正面から見直す必要がある。

 そこで学びたいのが、さわかみファンドということになったようだ。 設定されて16年余、日本経済がジリ貧と縮小をたどってきたのに、さわかみファンドは年率複利で5%の成績を上げている。

 その秘密を聴きたい。 そして韓国にも、さわかみファンドのような安定的にきちんと成績を残せていけるような投信が登場してきてもらいたい。 その思いは、昨日の電話インタビューでもひしひしと伝わってきた。

 秘密など何にもないよ、すごい運用テクニックも必要ないよ。 生活者からみてもっともっと頑張ってほしいと思える企業を応援しようと、マーケットが暴落して皆が逃げる時に、断固として株式を買っているだけだよ。

 それが、本物の株式投資であり長期投資家の真骨頂だよ。 そんな話をしてくるつもり。 おもしろいのは、質問の時間がたっぷりあるので、どんな質問が飛び出てくるか楽しみである。