週末は大分で、東証のプラスYOU とFP 協会大分支部との共催によるセミナーがあった。 もともと会場が80席のところしかなかったようだが、満席で立ち見が出るほどの盛況だった。
こちらでも、会場に入った瞬間すごいなと嬉しくなったのは、若い人たちの参加がすごく多かったことだ。 FP 協会が頑張ってくれているのか、最近の流れなのか、どちらでも構わないが結構なことである。
若い人たちが「本物の長期投資って、こんな感じか」と理解し、行動に移ってもらえたら日本は変わる。 一人ひとりの経済的自立もあるが、日本経済の活性化に直結する。
いつも書いているように、長期投資を続けていれば経済的自立はできていくし、ファイナンシャル・インデペンデンスとその先に広がる世界が見えてくるもの。
たとえば、さわかみファンドをずっと積立て投資していくと、年率複利で7%ぐらいにまわっているから、10年で2倍くらいのペースで財産づくりが進んでいく。 すると、20年30年たてば結構な財産が出来上がってしまうことになる。
もちろん、将来に向けて成績の約束はできないが、積立て投資していた方々の16年余りの実績だから、相当に説得力はあるはず。 とりわけ、若い人たちは時間があるから、びっくりするほど大きな財産づくりも可能である。
次に、日本経済の活性化だが、これも長期投資をベースとして民間主導でやってしまうのが一番である。 国の予算をあてにすると、それだけ財政赤字が拡大し国債発行残高も膨れ上がる。
それが長期投資だと、国は何もしなくていい。 預貯金に寝かせてある個人マネーが、どんどん経済の現場に流れ込んでいく。 それだけのことで、経済活動はいくらでも活発化する。
若い人たちは、それほどお金がない? まったく構わない。 たとえ1万円でも、1万3000円でも、毎月の積立て投資にまわしてやるだけでいい。
そういった若人が20万人になれば、毎月の積立て額は20億円とか26億円となる。 年間で、240億円とか312億円だ。 そこへ翌年も、あらたに240億円あるいは312億円が積み増しされるのだ。
5年間10年間でみると、投下される資金だけでも1200億円とか1560億円、そして2400億円とか3120億円となっていく。 それらの投下資金に、たとえば年7%ぐらいのペースで殖えていく分が乗っかってくる。
それだけの資金が、長期投資で株式市場に滞留し、じわりじわりと経済の現場に流れ込んでいくのだ。 金額的には、そう大したインパクトとならないと思うかもしれないが、安定的かつ継続的な資金流入がずっと続くというところが大事である。
第1に、流入金額は必ず増える。 長期投資する若い人たちが20万人で終わるわけがないし、毎月の積立て額の増加だってある。
第2に、若い人たちの積立て投資の増加で、株式市場が下値岩盤のような上昇軌道をたどれば、一般の投資資金は放っておいてもどんどん流入してくる。
第3に、それをみて海外からの長期投資マネーも流入を加速させよう。 なぜなら、一定の資金がコンスタントに株式投資に向かっている市場なんて、海外にはないのだから。
まあ、こんな流れで長期投資マネーが株式市場をリードするパターンが定着してきた時には、日本経済は見違えるほど元気になっていよう。