企業を応援する長期投資、なんとなく分かってきたけれど

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 このブログに、読者から質問をいただいているらしい。 ありがたいことである。 お礼を申し上げると同時に、せっかくのご質問にお答えしていないこと、ごめんなさい。

 なぜ、書きっ放しでお答えしないのか? 長期投資は今がどうのこうので議論するのではなく、将来に向けてどんな行動をするかが問われる。 いい質問であれば、”そうそう、そのまま前へ進みましょう” で終わり。

 厳しい質問の多くは、現状にこだわったものになりがち。 現状がどうのこうのなんて、人それぞれの価値観や見識あるいは経験の違いで多種多様な意見があろう。 ただ、もうほとんどが株価などマーケットの価格に織り込まれている。 そんなものをいちいち議論するのは学者先生に任せておけばいい。 それよりも、そこからどんな行動をするかが重要である。 それが、投資でもある。

 そんな中、”企業を応援するのはわかったが、いつ売ったらいいのか” といったご質問が、ここへきて増えているとか。 そのご質問、よく理解できる。 しばらく前までの、株価全般が叩き売られていた頃にわれわれと一緒に断固たる応援買いをしていた方々は、ここへきての株高に ”さあ、どうしたものか” と思うだろう。

 皆が自分の利益勘定だけで売り逃げに走っていたところを、われわれは敢然と応援買いに入った。 投資環境がちょっと好転して、にわか応援団がいっぱい出てきたではないか。 ここは、応援を一時的に彼らに任せるところかも。 そう考えてもらえたら、同じく長期投資を志す仲間として嬉しい限りである。

 売って構わない。 ただし、ちょっとだけだ。 ずっと言ってきているように、われわれ長期投資家は暴落相場はどーんと買いに行く。 資金ある限り、とにかく応援買いを進めよう。 そして、経済情勢や投資環境が良くなってきて、にわか応援団が増えてきたら ”少しずつ売り上がっていく” のだ。

 なぜ、少しずつ売り上がっていくのか? にわか応援団の行動が読めないからだ。 株価が上がると思えば、どんどん買ってくる。 そんな彼らは長期投資家の売りをみて、慌てて売り逃げに一転することもありうる。 そうなったら、せっかく企業を応援しようとしてきたのに、またぞろ株価下落の世界に突入してしまう。 それでは、まったく意味がない。

 だから、薄く薄く売り上がっていくのだ。 そのうち、にわか応援団がバブル買いをしてきたら、大きく売っても構わない。 この辺のニュアンスは、ちょうど今夜8時からインベスターズ TV で、じっくり語ろう。 書くより、お話しした方がより実感してもらえると思う。 

  

 ブログへのコメントや質問への回答は、毎月第2第4水曜日20時より配信される生放送番組、「インベスターズTV水曜劇場」にてお答えしております。 当ブログでお答えすることはありませんので、ご注意ください。 インベスターズTV水曜劇場は http://www.investors-tv.jp でご覧になれます。

 

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