東証スペシャル

Browse By

 今度の日曜日、13時から東京証券取引所で ”プラス YOU “ の特別版セミナーが開催される。 これは、今年の5月からはじまった東京証券取引所主催の全国縦断セミナーの拡大版で、300人以上の参加者が予想されている。

 日本株市場の活性化ひいては日本経済を元気にさせるにも、個人の預貯金マネーをなんとしても株式市場に導入したなければならない。その認識で、東証が先頭に立ってこのキャンペーンを繰り広げている。 これは、5年10年後の評価が楽しみな一大事業である。

 国は1992年の9月から、もう19年にわたって総合経済対策とかの名目で、年平均にして19兆6000億円の景気対策予算を投入してきている。 単純計算しても、年4%強の経済成長を促がせるはず。 ところが、この19年間というもの、まったくといって良いほど効果が出ていない。

 理由は簡単で、年平均して19兆6000億円もの予算投入が、表現は悪いが死に金になってきたからだ。 金融機関の救済をはじめとして、ゾンビ企業やゾンビ外郭団体に仕事を割り振るなど、後ろ向きにいくら資金を投入しても経済は動かない。 また、日本の政治は利権の確保と、票集めにつながる既得権益層への利益誘導に熱心すぎるが、彼らにとっては死に金どころか有用な税金投入である。

 そういった政治家を選出しているのは国民だから、日本国民納得の上で死に金の山を築いてきたことになる。 そのツケは1000兆円に上る国の借金となってきているのだ。 なんともやるせない気持ちにならないか。 それだけの予算を前向きに投入してくれていたら、日本経済はずっと4%前後の成長ができただろうし、税収の大幅増加で国の借金はむしろ減っていたはず。

 あれこれ言ったところで、日本の政治はそう変わらないだろう。 だったら、他の方法で日本経済の活性化を追求するしかない。 そこで考えられるのは、株式市場の活性化である。 ありがたいことに、個人の預貯金マネーが790兆円もある。 その10%でも株式投資に導入したら、株価上昇がもたらす心理効果と資産効果で、個人消費が高まり企業の投資も活発化する。 経済活動は一気にフル回転となる。

 上手い具合に、企業や銀行の持ち合いはピークの55.3%から、いまや8%にまで下がってきた。 (東証1部上場企業の全発行株式数に対して、大和総研調べ) もう売りはほとんど出てこないから、いまここで預貯金から株式投資に向かった個人マネーは、長期投資の醍醐味をたっぷりと味わうことができる。 タイミング的にも申し分ない。

 また、できるだけ早く日本経済を活性化させるのは喫緊の課題である。 そんなわけで、東証のキャンペーンは極めて意義あるものなのだ。 皆さん、日曜日お時間ありましたら、東京証券取引所にお出かけください。 われわれ一般生活者が力を合わせて、日本経済を元気にさせようではありませんか。

 

 ブログへのコメントや質問への回答は、毎月第2第4水曜日20時より配信される生放送番組、「インベスターズTV水曜劇場」にてお答えしております。 当ブログでお答えすることはありませんので、ご注意ください。 インベスターズTV水曜劇場は http://www.investors-tv.jp でご覧になれます。

 

 【広告】

 本の紹介です。電子書籍版で、スッと読めるボリュームに抑えています。

 澤上篤人の新著「長期投資家のための企業分析と実践」が発売されました。 普段「なぜ長期投資・運用が必要か」を題材にした本、またはセミナーが多い著者ですが、今回は、その実践編となる企業の分析方法などを具体的に書いています。 直接投資をされない方でも「富とは」「費用とは」を考えることができる一冊となっておりますので、ぜひご覧ください。

 さわかみ投信現社長の黒島の本も合せてご紹介します。ちなみに、黒島社長の本は紙媒体も用意しております。

 澤上篤人「長期投資家のための企業分析と実践」
 https://play.google.com/store/books/details?id=C3cfzZzBRNUC&source=gbs_api

 澤上篤人「お金をまわして日本を元気にさせよう」
 http://itunes.apple.com/jp/app/id475297966?ls=1&mt=8

 黒島光昭「特許物語」
 http://itunes.apple.com/jp/app/id459089234?ls=1&mt=8

 http://scps.shop28.makeshop.jp/shopdetail/002000000001/