世界の株価から一人はなれて低迷を続けている日本株だが、このだらしない状況を打破するのは簡単である。 突拍子もないことと思われるかもしれないが、さわかみファンドへ誰か1兆円ほど資金を入れてくれたら、もうそれで十分である。 うちはその資金で、即刻200銘柄ほどに安値の買いを入れていく。
これから業績がどんどん良くなってくるであろう企業の株に、下値の買いが分厚く入ってくると、投資家の関心は嫌でも高まってきて株価も上値を追い始める。 この動きが広がってくるにつれて、株式市場では次の上昇銘柄を早めに見つけて、我先に乗ろうととする連想買いの機運があっという間に高まってくる。 この展開までもっていけば、後は放っておいても株価全般は上昇に入っていく。
要は、ある程度まとまった買いを入れてやることだ。 それだけで、株式市場はいくらでも元気になる。 なにしろ株価全般はやたらと売られて超のつくほどの安値にあることは、誰もが認めるところ。 すこし上昇の兆しが出てくると、もう居ても立ってもおられなくなるのが投資家心理というもの。
まあ、さわかみファンドに誰かが1兆円を入れるというのは非現実的だとするなら、長期投資減税をやればよい。 証券会社に個人投資家の貯株口座を新たに設定し、今日以降に購入した株式で7年以上保有した分に関しては、キャピタルゲイン税をゼロにしてやる。 7年以内に売却したものについては従来通りの売却益課税を徴収する。
長期投資減税には、相続も認めよう。 また、7年を超えて保有した投資で売却損が出た場合は、他の所得との損益通算を認める。 これだけ手厚く長期の株式保有を優遇してやれば、預貯金を引き出して株を買ってみようかという個人は裾野広がりで続出するだろう。
なにしろ、年0.02%の預貯金利子に対して株式の配当利回りは平均で2.6%もある。 100倍以上の利回り差だし、株価全般は誰の眼にもおそろしく低位低迷している。 将来の株価上昇の可能性を考えると、長期投資減税に乗らない手はない。
個人マネーの預貯金から株式へのシフトは尻上がりに爆発的な拡大を見せることになろう。 多くの個人にとって株式投資は初めてということになるから、みな慎重に買おうとする。 それが、株式市場にとっては下値を岩盤にしてくれるから、株価全般はしっかりした足取りの上昇トレンドを描いていくことになる。 そういった上昇相場は、いつも息の長いものになるのは歴史の証明するところである。
株価が息の長い上昇相場に入っていけば、経済活動にすばらしい援軍となる。 心理効果や資産効果で個人消費はグーンと増えるし、企業の投資活動も活発化する。 それが、更なる株価上昇を誘引することになるといった拡大スパイラルに入っていく。
国や財政当局にとっても、長期投資減税の導入はコストゼロだし、将来は巨額の税収入を期待できる施策である。 少なくともはじめの7年間は、キャピタルゲイン税の負担は発生しない。 7年の間には、株価の長期上昇と景気の大幅回復を背景に、国の税収入は驚くほど高まっているはず。 長期投資減税分など軽くおつりが来るだろう。
このぐらいの経済感覚を持った政治をやってくれると、日本経済はいくらでも元気になるのだがね。
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