ギリシヤ問題がくすぶっており、それが欧州の金融不安という暗雲になっている。
ベルギーの大手銀行はギリシヤへの債権の重荷で、公的救済を受けるといった報道もなされている。
ヨーロッパの一小国に過ぎないギリシヤの債務過剰問題がこれほど大騒ぎとなるのは、
氷山の一角でも崩れ出しては困るからだ。
金融バブル当時、ヨーロッパの銀行中心に拡大EUの熱気で、
ギリシヤなど新規加入国への融資を積極拡大させた。
それが、いまやバブル融資の残骸として山積みとなっている。
その氷山の一角がギリシヤなのだ。
問題の解決には、ギリシヤなど債務国が財政を健全化させて債務返済を加速させるか、
ヨーロッパ系銀行の資本を増強させるか、その両方を同時に進めるかしかない。
そのどれもが思うように進展しないから、そこを市場は突いてきて金融不安になっているわけだ。
実は、もうふたつ解決策がある。
ひとつは、ヨーロッパとりわけ過剰債務に陥っている南欧諸国の成長率を高めて財政負担を軽減させる。
そうすれば、銀行債務も返済に向かう。
もうひとつが、インフレである。
インフレとなれば、債務の重荷も軽くなりギリシヤなどが借金を返済しやすくなる。
返済が軌道に乗ってくれば、貸している銀行の方も不良債権の保有残高が減っていき、
それだけ自己資本比率を高められる。
成長あるいはインフレは、いまの日本にも当てはまる。
ジリ貧の経済を元気にさせるには、それしかない。
できれば、経済成長の方が良いに決まっているが、ある程度のインフレも歓迎できる。
そこから先は政治の問題ではあるが、
われわれ長期投資家が先導して預貯金マネーを株式投資に誘導できれば、
日本経済はいくらでも成長力を高められるのだが。