日経平均株価が5万円台に乗って、さらに上昇スピードを上げている。
いま現在、673円高の50,892円と順調に値を上げており、投資家にとってはご機嫌な展開だろう。
日米首脳会談を上手く乗り切った、トランプ大統領から厳しい要求も出なかった等を材料に買われている。
文字通りの凄まじい上昇ぶりであるが、どうみても「バブル高、ここに極まれり」といった感じである。
買い上げ材料をみても、どれもこれも期待感だけが先行している。
高市政権が打ち出すであろう政策への期待、AIとか半導体への期待などでもって、どんどん買い上がっている。
そういった期待先行の上昇相場が材料出尽くしとなってくると、今度は催促相場に移っていく。
催促? そう、さらに買い上がるための材料を株式市場は模索しだすのだ。
とにかく、このまま上昇相場が続いてほしい、それでなにか新しい買い材料を探せとなっていく。
2000年に入って、ITバブルが崩壊したが、その寸前までは皆でIT関連企業を買い上がった。
文字通りのIT関連企業の株式は、もう腹一杯という水準まで買い上がった。
そこで、株式市場はどんな企業でも、ちょっとITといった看板を掲げてくれれば、もうIT関連として買い上がっていった。
IT関連としては十分に買い上がってきた。 こんどはITという文言をかざした企業の株を買えとなっていったのだ。
これなんぞは、とにかく買い材料が必要だということで、マーケットが何でもかんでもITという買い材料を仕立て上げていったわけだ。
催促相場が高じてくると、マーケットは株価がさらに上がるであろう政策を催促しだす。
その典型は、トランプ大統領による執拗な利下げ要求である。
21世紀に入って全米最大の圧力団体となった金融ロビイストたちが、金融界の声を政策に反映させようとしているわけだ。
金融界の声? パウエルFRB議長が利下げすれば、株式市場はもちろん債券市場も上がり、ビジネスは拡大する。
投資家たちは、もちろん株価などのさらなる上昇は歓迎だから、利下げ要求を大歓迎する。
そういった株高に酔ってバブル高に浮かれていると、どこかで経済合理性のしっぺ返しを食らうだけのこと。
経済合理性のしっぺ返し? ものごとには限度があって、いつか必ず行き過ぎの反動に大やられする。
それがバブル崩壊で、たとえば世界のインフレそして金利上昇の圧力は、静かにエネルギーを蓄えている。
われわれ本格派の長期投資家からすると、期待先行のバブル高などいつまでも続かない。
その先の、経済合理性による反動が、いつどのような形で表面化してくるかに集中したい。
