NY市場も東京株式市場も、毎日600ポイント超の派手な上げ下げを繰り返している。
通常の相場展開よりも、かなり大幅な揺れに曝されて、投資家の多くはちょっとついていけない感じだろう。
マーケットを追いかけて値ざやを稼ごうとするディーリング投資家たちにとっても、日変わりの上げ下げが大きすぎる。
マーケット動向をベンチマークとする機関投資家も、ついていくのだけでも精一杯といったところ。
どの投資家にとっても難しい相場展開だと、さぞや手を焼いていることだろう。
それもこれも、トランプ政権が世界経済にとっての波乱材料を、次々と巻き散らかしてくれているからだ。
もともと、ずっと高値圏にあった金あまりバブル株高だ、どこで大崩れに入ってもおかしくなかった。
そこへ、トランプ政治が加わって、世界貿易の縮小や成長率鈍化、インフレ再燃などの懸念を高めてくれている。
なら、もう今頃は世界の金融マーケットや経済は大崩れの大混乱に陥っていてもおかしくないのでは?
なのに、まだ崩れていないのはなぜか? 先進国中心に史上空前のカネ余りが、もたらしてくれている余裕だろう。
余裕? そう、318兆ドルという過去に例のない世界全体の債務残高に象徴されるように、まだ資金があり余っている。
中国の不動産不況に典型だが、3~4年前から危機的状況といわれてきたのに、なんとか持ち応えてきた。
だからといって、中国経済が大きく好転しているわけでもない。 世界各国の経済も同様だ。
世界中が、いろいろな問題を抱えて低空飛行しており、高値圏にあった世界の金融マーケットもフラフラしだしている。
さあ、これからどんな展開となっていくのだろうか? 空前のカネ余り現象も、いつかは吹き飛ぶ時が来る。
いろいろ考える材料は山ほどある。 その上で、投資を実行していくのだ。 さあ、皆さんどうするか?
この40年間のカネ余りと年金買いの歴史に例のない上昇相場も、曲がり角に差し掛かっている。
何も考えなくとも上昇相場に乗っているだけで済んだ世界の投資家たちも、ここからは自分の頭で考えなくてはならない。
われわれ本格派の長期投資家からすると、もう当たり前のことだが、ほとんどの投資家にとっては未知の世界。
マーケットを追いかけてきただけの機関投資家を含め、考える訓練ができていない投資家たちは右往左往するだけだろう。
それも、今後の経済やマーケットにとっては、混乱を増幅する材料となっていくのだろう。