世界レベルで政治の迷走と社会混乱

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民主主義は最悪の政治形態である。 とはいえ、人類が経験したあらゆる政治形態よりはましではあるが。

英国の首相を務めたチャーチルの言葉とされているが、まさに言い得て妙である。

最近はその最悪の部分が、世界あちこちで、やたらと目立ってきている。

一般大衆の不満や生活苦が高じてきて極右勢力の台頭を許したり、権威主義の強権政治を招いたりしている。

その横で、政治家がどんどん小粒になってきて、選挙で票を集めるためだけの迎合主義がはびこっている。

日本でも政治不信というか、政治に対する諦め意識が、投票率の低下に象徴されている。

一方で、金融資本主義ともいわれるように、マネーの独走がますます加速している。

その結果、一部の富裕層に富は集中し、世界中で多数の人々の低所得化や貧困化が深刻化する一途となっている。

それが、世界中あちこちで部族対立や武力衝突など地政学リスクを高め、権威主義国家への傾斜となっている。

米国でも、良きアメリカを代表してきた中産階級の没落が顕著となり、貧困層の増加が目立っている。

そういった没落組や貧困層の不満がトランプ現象を招いているといった指摘も、あながち誇張ではなかろう。

これらの社会現象の先では、なんとも不気味なものを感じさせられる。

第1次世界大戦後、没落したヨーロッパに代わって世界の盟主に台頭した米国は大活況に沸いた。

しかし、世界各国は日本も含め戦後不況の嵐に襲われた。 それが保護貿易主義を助長し、各国は自国優先に走った。

世界の経済活動は一気に縮小し、ひとり活況を呈していた米国株式市場も、1929年10月に暴落し大恐慌をきたした。

それが、世界恐慌につながっていって、各国の政治も社会も大きな混乱に陥った。

その挙げ句に、国家化主義つまりファシズムの台頭を許し、最終的には第2次世界大戦へと転がり落ちていった。

この先どうなるか、神のみぞ知るところだが、願わくは人間の良心と正義心でもって世界の暴走を抑えたいところ。

なんとかして、民主主義の良さを爆発させたいものだ。