経済活動においては、金利コストとリスクの意識が自然のブレーキとなる。 歯止めとなるのだ。
ブレーキ? そう、経済活動は勢いがつくと往々にして行き過ぎてしまうもの。
バブルもそのひとつで、買いの勢いが強く周りをどんどん巻き込んでいく時など、まったくブレーキがかからなくなる。
買って買いまくった挙げ句、さすがにもう買いが続かなくなってくると、熟柿が木からポトンと落ちるように、バブルは崩れていく。
あるいは、ちょっとした風が吹くかかなにかのきっかけを待って、熟柿がドサドサと一気に落ちる。
それが、バブルの終焉を告げる。 その後は、売り逃げと大きな損失の山で、マーケットも経済活動も大混乱に陥る。
できるならば、そういった行き過ぎを避けるべく、コスト意識やリスク感覚が働いてもらいたいもの。
それが、結果としてバブル崩壊といった混乱を避け、健全な経済活動を維持することになる。
いま、世界の金融マーケットや経済を見まわすに、コストやリスクの意識といったものが、どこにも感じられない。
米FRBを初めてして、先進国の中央銀行はこれでもかこれでもかとゼロ金利政策を深掘りしている。
また、各国とも前代未聞の規模で資金供給を続けている。 まるで、タガが外れたかのように。
これでは、投資家のみならず経済人全般に、金利コストの意識はそっちのけとなる。
また、どこかで売りを浴びるリスクの感覚というか警戒感など高まりようがない。
そう、もはや歯止めがかからなくなった機械のように、回転は上がるばかり。
どこかでオーバーヒートして、機械はぶっ壊れることになるが、ブレーキがかからないのだから、どうしようもない。
この金融バブルも歯止めがかからないまま突っ走って、最後は空中分解となろう。
全体はそうかもしれないが、どう自己防衛していけば良いのか?
先ずは、このバブルからできるだけ離れた立ち位置を確保することだ。
次に、金利ゼロとか資金はいくらでも調達できるといった状況など、長く続くはずがないと思い定めよう。
一刻も早く、金利コスト意識とリスク感覚をベースとした、普通の経済感覚を取り戻すのだ。
そうすれば、ここで絶対に手を出してはいけないものと、やっていい行動との見極めがつく。
いずれ来る金融バブル崩壊でも、落ち着いた行動がとれるし、攻めにも入れる。
それが、本格的な長期投資というものだ。