いやに静かなバブル高が続いている。 これだけバブルだバブルだといってきたものの、過熱感といったものがさっぱり出てこない。
通常のバブルや大きな株価上昇相場だと、高値になればなるほど利益確定の売りが出てくるもの。
それに対し、買いエネルギーがほとばしっているから、売りと買いが激しくぶつかり合う。
そういった高値でのもみあいや、そこから発する過熱感が、今回はさっぱり見られないのだ。
もしかすると、市場参加者のほとんどが、ここで売る必要性をまったく感じていないのか?
売る必要性? そう、ずいぶんと高値になってきたから、どこで売りが出てくるかしれない。
どこからか売りが出てこないうち、早めに売っておかないと後手に回ってしまう。
そういったリスク意識が、「だれかに売られる前に、自分が先に売っておこう」とする行動を誘うもの。
ところが、今回は違う。 「このカネあまりでは、誰も売ってこないだろう」と、みな安心しきって買いポジションを保ったままでいる。
それで、売りと買いのぶつかり合いといった高値もみ合いや、その激しさを象徴するような過熱感がさっぱりなのだ。
相場のことは相場に聞けといわれるように、この静かなバブル高はまだまだ上値を買えるぞと、それを示唆しているのかもしれない。
まだまだ上値があると強気を張り続けるのも、投資家それぞれの判断次第である。
ひとつだけ、はっきりしていることがある。 高値での売りがさっぱり出てこないということは、買いのポジションがどんどん膨らんで重くなっているわけだ。
それはそのまま、将来の売りのマグマが溜まりに溜まっていることを意味する。
われわれ長期投資家は、将来どこかでマグマが爆発することを想定し、その被害からはできるだけ離れておこうとする。
爆発する前に、まだかりに10%~30%の株価上昇があったとしても、それは捨てる。
そんな残り火のような株価上昇を期待するよりも、マグマ爆発による株価暴落を避ける方が、はるかに賢い。
わずかばかりの資産増加を狙ったところで、そんなもの株価暴落ですべて吹っ飛んでしまう。
大きなガラを食らわないことが、資産形成においては絶対の条件となる。
いつ、バブルがはじけるのかは神のみぞ知るのところ。 ただ、下がりはじめたら、もう売れない。
まさに、君子危うきに近寄らず。できるだけバブル崩壊の影響からは遠く離れておこう。