現在進行中の壮大なカネあまりバブル高は、もういつ大崩れに入ってもいい。
ところが現状は、市場参加者の多くがバブル現象であることは否定しないものの、このバブルはまだまだ続くと信じ切っている。
米FRBはじめ各国の中央銀行が胴元になって、資金をいくらでも供給しようといっているから、バブルは崩れっこないと高を括っているのだ。
それでも地球がまわっていると主張し続けたガリレオのように、このバブルも近いうちに崩れると言い張ろう。
ともあれ、いつ崩れるかなんて、どうでもいい。 崩れが先になればなるほど、バブル崩壊の傷が大きくなるだけのこと。
それよりも、崩れた後のマーケットや経済の様相から、打てる対応まで、そろそろ検討に入ろう。
いまバブルに踊っている人達は、ことごとく価格急落による大損と、売るに売れなくなった投資残で身動きが取れなくなる。
個人投資家はまだいい。 大損も自己破産も、欲ボケに走った自分の不徳の致すところということで、それ以上はない。
ところが機関投資家は成績悪化の責任追及からはじまって、どう対処していくかやらで、投資家顧客とはつらい対話に追われまくる。
投信は基準価額の大幅下落で解約が殺到し、その現金作りで保有資産をさらに叩き売る悪循環に追い込まれる。
企業や金融機関はバブル投機の後始末で、投資損・評価損・不良債権化という問題が、まとめて降ってくる。
そう、バブルの踊っていたた人たちのほぼ全員が収拾のつかない大混乱の地獄で、のたうち回ることになろう。
一方、マネーはというと、バブル膨れしていた大部分が蒸発したように消え去るが、生き残った資金は早くも次の動きをはじめる。
これが、マネーの本性というか、しぶとさであって、いつでも次の儲けに向かって走り出す。
株式市場でいうと、カネあまりバブル高で大きく買われてきた銘柄ほど、これでもかこれでもかといった売りに叩き潰される。 株価は奈落の底へと落ちていく。
その横で、あまり買われてこなかった企業の株式には、それほど売りが出てこないので案外と早い段階で株価も底を打つ。
さわかみファンドの狙いも、まさにここにある。 一部の企業群の株価が早くも上昇に転じ始めるのだ。
バブル崩壊後の大混乱下の株価上昇である。 まともな資金による、まともな買いで一部に企業の株価が上がっていく。
それを見て、生き残ったマネーがどどっと買い参加してくるから、V字型の上昇に入っていく。
いっておくが、ほんの一部の企業群だけだ、そこで買われるのは。
現行の、こんなバブル高に手を出すよりも、バブル崩壊後のV字型の株価上昇に参加した方が、よほど面白いと思うよ。