投資の神様ともいわれている、ウオーレン・バフェット氏がデルタ航空など保有していた航空会社の株式をすべて売ったとのこと。
航空需要が当分は回復しないだろうという判断での、売り切りらしい。 これは、ちょっと残念である。
コロナウイルスの感染問題で、人の動きがなくなっているとはいえ、そんなもの一時的な現象である。
感染が収まってくれば、航空需要が急回復するのは目に見えている。 ここは、むしろ応援買いである。
もっとも、その前に航空会社が資金繰り難で破産してしまったら投資どころではない。
その点、バフェットさんのバークシャーハザウエイ社は、何兆円もの現金を持っている。
航空需要が回復してくるまでの資金需要を、かなりの程度カバーしてあげることは可能のはず。
ちょうど、リーマンショック時に投資銀行のゴールドマンサックス社に優先社債を発行させて、全額を引き受けたように。
あの時よりも、今回のほうがずっと長期投資家らしい行動となる。 自分はそう考える。
なにしろ、ゴールドマンサックス社は金融バブルを引き起こした総本家みたいな大手投資銀行だった。
hそれで、「えつ、ゴールドマンを救済するの!」と、長期投資家としての立場からビックリしたものだ。
もちろん、純粋な投資という意味では、すごい好条件を引き出したバフェットさんの手腕は際立っていた。
ただ、われわれ長期投資家としては金融バブルを引き起こした張本人など、絶対に応援したくはない。
ともあれ、彼は大きな投資収益を得た。 投資家としてはさすがだったが、長期投資の観点からは???だった。
ひるがえって、今回のパンデミック騒ぎでは、まさにバフェットさんが真骨頂を発揮していい時である。
バークシャーの資金があれば、米国の航空会社をいくらだって応援できるはず。 足らなければ、社債を発行してもいい。
つまり、紙くずになるような投資には決してならない。 なによりも、大義名分が立つ。
コロナ問題が終わり、米国そして世界経済が平時に戻ってくれば、すごい賞賛とともに膨大な投資リターンが得られよう。
われら、さわかみファンドは早いとこ、10兆円20兆円の巨大ファンドになりたいものだ。
バフェットさんに代わって、本格的な長期投資の神髄をいかんなく発揮して、世の中に貢献したいと強くお思う。