主役不在のマーケット

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 昨日の日本株市場は大きく戻してくれた。 前日の海外市場が反発したのを受けてのもの。 その海外市場が昨日は目先の売りに押され気味だった。 それで今日の東京はどういった展開になるのか、おそらくだらだらと売られるのだろう。

 つまらないことをだらだらと書いてきたのは、今の日本株市場には強い買い主役が存在しないからだ。 たとえば、ここで外国人投資家がどどっと買ってきたら、それっとばかり多くの投資家がバスに乗り遅れるなと買い群がってきて、株価全般は猛烈な反発を見せよう。

 なぜ外国人投資家が買ってきたら慌てて飛びつき買いするのに、たとえば今日ちょっと売られたとして、そこで買えないのだろうか。 昨日よりは今日のほうが安く買えるはずなのに。

 日本の投資家のほとんどが相場追いかけ型のトレ-ダー投資家だからだ。 誰かが買って株価が上値を追い始めたら、もう居ても立ってもおられず飛びつき買いする。 ちょっと売られたら、泡食って売り逃げようとする。 自分の価値判断で、安いと思える時はさっさと買い注文を入れ、高いと思ったら静かに利益確定していく投資家がいないのだ。

 これは個人投資家だけの問題ではない。 機関投資家のほとんどが、やはりトレーダー的な投資の集団である。 面倒なことに、コンピュータを駆使したディーリングの技術が高度化されてきたから、機関投資家の巨額資金が瞬時の売買で超高速回転する。 それが、相場形成に大きな影響を及ぼすことになる。

 要するに、日本株市場は主役不在ではなく、まともな投資家不在のマーケットなのだ。 まともな投資家、本格的な長期投資家を目指す読者の皆さんは、そんなマーケットではあるがやはり買うべき時は買っておきましょう。 将来を見越して、価値が高まっていくと期待できる企業の株が、ちょっと売られすぎと思えば買っておくのだ。

 相場なんて、後からついてくる。 その前に、早め早めで買っておく。 それが、投資である。

 北海道でのセミナーのため、明日のブログはお休みです。