終りのはじまりか

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先週後半から、東京株式市場を筆頭に世界の株式市場が大荒れに荒れている。

日本株は、1987年10月のブラックマンデーを上回る史上最大の下げ幅となり、その反動で史上最大の上げ幅だとか。

マーケットは大きく下げては戻しを繰り返しているが、先週前半の高値からはどんどん遠ざかっている。

暴落の犯人捜しで、日銀が政策金を0.25%引き上げたからとかを言う声もあるが、笑ってしまう。

おそらくだが、長く続いてきたカネ余りバブル高のマーケットも、ようやく逆回転をはじめたのだろう。

あたかも、秋深まって枯れ枝にぶら下がっていた熟柿が、ぼたぼたっと落ちだしたかのように。

ずっと指摘してきたことだが、空前のカネ余りに乗って世界のマーケットは、超のつくバブル高に酔ってきた。

株式市場も生成AIとかの新ビジネスを囃して、一部の株式を中心に天を舞う勢いで高値追いを続けてきた。

ヘッジファンドや投資ファンドなども、ゼロ金利の日本から資金を調達し、あらゆる投機に向けてきた。

それらの歯車が、いよいよ逆回転をはじめたようで、世界中の投資家もヘッジファンドや投資ファンドも損失に直面しだした。

ここまで買って買いまくってきた投資残高や投機のポジションは、空前の規模にまで膨れ上がっている。

それらの一部が崩れ、投げ売りが出はじめると、売りが売りを呼んで下げがどんどん加速することになる。

その先では、損失勘定が膨れ上がっていくにつれ、その穴埋めのための売りが、あらゆる金融商品に及んでいく。

この換金売りの悪循環に陥ると、金融マーケット全般に売りがパッと広がって、パニック売り相場となる。

そうなってくると、マーケットはもちろんのこと、経済の現場で資金がグーンと締まってくる。

その図式は、こういうことだ。 ここまでの下げで、米ハイテク関連の企業の時価総額が6.4兆ドルほど吹っ飛んだ。

株価の大幅下落で、時価が6.4兆ドル蒸発してしまったわけだが、その分だけカネ余りは解消されたことになる。

これからさらに株価全般の下げが続くと、世界のカネ余りはどんどん縮小していくわけだ。

その先では、経済活動全般でのマネーのタイト化、つまり金利の上昇はさけられない。

となると、日銀や米FRBの政策金利とは関係なしで、市場金利は勝手に上がりはじめる展開となっていこう。

それは世界の金融マーケット全般で、一層の売りを呼ぶ悪循環となっていくことになる。

かくして、先進国中心の空前の規模での金融緩和は、マーケットの暴落をともなって収束していくのだろう。