さわかみファンドの運用責任者である草刈との共著『金融バブル大崩壊』が、ようやく日経BP社から2月3日に刊行される。
昨年の11月には書き上げたものの、えらく出版が遅れてヤキモキしていた。
幸か不幸か、金融市場全般の大暴落がいまだ発生していないので、なんとか間に合った。
われわれからすると、早くこいこい金融バブルの大崩壊である。 新著の売れ行きとかは関係なしにだ。
コロナ禍で、飲食業中心に経済活動がお手上げ状態となっている現在、バブルだろうと景気維持が先決ではないのか?
そんなギリギリの状況なのに、金融バブルの崩壊を期待するなんて、なんとも不遜ではないのか?
むしろ、逆である。 このまま金融バブルの暴走を許していると、後になればなるほどバブル崩壊による反動の激震は巨大なものになる。
バブルに踊り狂っている企業や金融機関が大打撃を受けるだけでなく、経済そのものがダメになってしまう。
一刻も早く金融金融でカネ膨れする一途の、中身の薄い経済が吹き飛び、実体経済をベースとしたものに回帰すべきである。
大量にバラ撒かれた資金が金融マーケットで高速回転していても、それは株価上昇などを追いかけるマネーゲームでしかない。
そこからは何の富も生み出されない。 もちろん、飲食業にも資金はまわっていかない。
それが、実体経済をベースとした資金の循環が前面に出てくるようになると、地に足が着いた経済活動に人々の関心が向かう。
そうなってくると、ひどい状況に追い込まれている飲食業や旅行関連業も、なくなってはマズイと再認識されよう。
バブル経済下では、すべてがカネカネで、人々は浮ついた行動に走りがちとなる。
だが、実体経済では人々の生活をベースとした価値観が前提となってくる。
そういった落ち着きを取り戻したいものだ。 その方が、長いめでは安全である。