徳島を長期投資の町にしようと、地元の若手経営者たちと種まきをしてきたが、どんどん芽が出始めている。
ただ単に長期投資で財産づくりしましょうと言っていても、「ウーン」とか「ちょっと」とかの反応がほとんど。
それは、日本中どこでも同じ。 投資運用とかの必要性は分かっているが、いざ投資しようとなると躊躇してしまう。
ところが、徳島では違うのだ。 もともと、徳島をどうやって活気ある街にしていこうかが、若手経営者たちとの付き合いの始まり。
いろいろやっているうちに焦点が絞れてきた。 地元のお金を動かさなくては、地元経済の活性化にはならないなと。
別に、すごい事業を興さなくても構わない。 地元のお金がどんどんまわり出せば、それで十分に経済の活性化となる。
だったら、皆で面白がってお金をつかえばいいじゃないか。 徳島でお金をつかえば、ぐるぐると地域内でまわる、それが活性化だ。
うまい具合に、徳島は富山や福井と並んで貯蓄志向の強い県だ。 預貯金額は山ほど積み上がっている。
その一部が、自分たちの楽しみと面白がりで動き出せば、自然と地元の商店や企業にお金がまわっていく。
じゃあ、なにをしようか? 8月には全国に知られている阿波踊りがある。
あの盛り上がりは、半端でない。 徳島人たちは、倒れるまで踊りまくるぞという文化を持っている。
そういうことなら、阿波踊りとは別に新しい盛り上がりをつくれたらいいなということに。
たまたま、自分とこがオペラをやっているから、ためしにやってみるかではじまったのが3年前。
オペラ、なんだかよくわからないが、ちょっと皆で楽しんでみようか。 そんなノリで、200人、そして230人と参加者が増えていった。
3年目の昨年は、どうせなら合唱かなんかで自分たちも出てみようかという声が上がってきた。
こちらとしては、待ってましたの展開である。 即刻OKを出して、7月から特訓に入った。
ただ面白がりで、舞台に上がるのではない。 そんな楽しみやノリでは、一過性ですぐ飽きる。
みっちりと練習を積んで、12月の舞台に上がるのだ。 あくまでも、プロたちに交じって真剣に本番を迎える。
これなら終わりはない。 オペラでもなんでも、本気でのめり込んでいったら、どんどん高みを求めたくなるもの。
やってみたら、なんともいえない充実感。 それで味を覚えて、今年の12月は100名が舞台に乗るという流れに。
地元の人間が合唱や助演でオペラをやるということで、それならと実に多くの人たちが会場に来てくれる。
昨年は500名。 今年は800名で、満席にしてやろうじゃないかという盛り上がりぶり。
なんとも楽しい盛り上がりとなっているが、そこで「これが、お金に働いてもらう長期投資の先に広がる世界なんだ」が、人々の心にスーッと入っていく。
「そうなんだ、だったら長期投資はじめよう」と、それこそバタバタと長期投資仲間が増えだしてきた。