ウーン、痛しかゆしだな

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世界のマーケットが、ふらつきだしている。 下げるのは構わないが、ちょっと痛しかゆしの心情である。

なにしろ、さわかみファンドの20年目の決算が来週の金曜日。 できるだけ高い株価水準で決算を迎えたい。

それをもって、ファンド仲間はもちろんのこと、世の中に対し「これが本格派の長期投資ファンドだ」を強く発信したい。

あと1週間は、できるならば株価暴騰を連日のように続けてほしい。 そう願うが、さてさてどうなることやら。

ずっと前から書いてきているように、金あまりのバブル相場は、どこかで空気が抜けても仕方がない。

世界の景気も大量の資金供給でかさ上げした、張りぼての景気にすぎない。 中身が伴っていないから、いつ萎んでもおかしくない。

さわかみファンドの決算には眼をつむるとするならば、一刻も早くドスーンときた方がいい。

ドスーンとくれば、バブル相場や張りぼての景気は吹っ飛ぶ。 しばらくは大混乱に陥ろうが、その中から本質の部分が見えてくる。

中央銀行のバランスシートを4~5倍にも膨らませて大量に資金を供給し、それで辛うじて支えている景気など長く続くはずもない。

そういった張りぼて部分が吹っ飛んでも、世界中75億人の毎日の生活は、なんら変わることなく続く。

人々の日々の生活を支えている企業の生産供給活動は、一時として止ることはない。

それが経済の本質部分だが、この部分は何があってもなくなりっこない。

それに対し、大量の資金供給やゼロ金利・マイナス金利政策で持たせている世界の株価や景気など、見せ掛け部分にすぎない。

われわれ長期投資家からすれば、見せ掛けの株価や景気に踊ることはしない。 むしろ、そんなもの一刻も早く吹っ飛んでほしいと思っている。

つまり、見せ掛け部分が剥げ落ちていくことは、世界景気や株価形成の正常化を意味するのだ。

そもそもリーマンショックの後始末はまだ終わっていない。 それをバブル相場や張りぼての景気で取り繕ってきただけのこと。

10年余り取り繕ってきた厚化粧が剥げ落ちていくのはいいとしても、正常化まではしばらく時間がかかる。

大きな混乱が続こうが、そこは長期投資家の真骨頂を発揮するときであり、勝負時でもある。