これといって心配症でもないし、むしろ楽天的というか自助努力で将来を切り開く派なので、いつも建設的に物事を考え行動する。 その自分が、日本の財政に関しては大きな懸念を抱いている。
もちろん最初に言っておくが、いつでもどんな時でも自助の精神で生きていってやろうがモットー。 したがって、財政が破たんするようなことがあっても堂々と生きていくべく、長期の株式投資ならびにさわかみファンドのような長期保有型の投信を奨めている。
いざとなっても慌てなくて済むように、やるべきことはやっておこうぜだ。 その上でなんだが、どうにも気になる点を以下に書き出してみよう。
第1に、アベノミクスで景気は上向き国の税収は増えるといっているが、だからといって財政赤字がなくなる目処は立っていない。 来年度予算96兆円に対し、税収は60兆円に上振れしたとしても、36兆円は不足する。 したがって、35兆円前後の新規国債の発行は免れない。
来年度も国債発行残高が大きく積み上がるのだ。 既に700兆円を大きく超えている国債発行残高が、さらに積み上がることになる。 いまは日銀がものすごい勢いで国債を買いまくっているが、果たしていつまで買い続けることができるのか。
第2に、年金や医療費の積立て不足を税で補てんしているが、予算における社会保障費は32兆円を超え、毎年1兆円~2兆円ずつ増え続けている。 その横で、国債費はいまのところ24兆円に収まっているが、金利が上昇に転じたらすぐ30兆円を超えていく。
社会保障費と国債費だけでも国の税収の大部分を食ってしまう。 他の一般予算だって、省庁間での予算無駄遣いや利権がらみの予算バラ撒きを徹底的に切り捨てたところで、必要なものは必要である。 その予算に事欠くようになれば、ごみの収集だって滞ることになりかねない。
第3に、もう少し景気が上向きデフレ脱却が見えてくると、金利は放っておいても上昇に転じる。 すると、長期国債の利回りが現状の年0.3%ちょっとに収まっているはずがない。 必ずや1%2%さらに上へと向かって急上昇に転じる。
そうなると、国債は大幅な値下がりとなり、保有している金融機関は評価損の拡大に悲鳴を上げる。 どこかが耐えられなくなって売りに転じたら、それが連鎖して国債は暴落する。 金融マーケットは大混乱に陥るだろう。
第4に、国債が暴落に転じたら国としても新規国債の発行が困難になる。 それは、財政破たんを意味するし、少なくとも予算執行にブレーキをかける。
こんな具合で、ぐるっとつながっていく。 発端は何でも構わない。 たとえば、海外の長期金利が急上昇に転じたら、その連鎖で日本の国債暴落を引き起こすことだってあり得る。
政府や識者といわれる人たちは大丈夫と言っているが、せいぜいまだ大丈夫と言っている程度だろう。 政治的な発言は横へ置いて、しっかり自分の頭で考えたら、上に並べた懸念は無視できないはすだが。
どうしたら良い? 社会保障費の税負担分を大幅に減らしたいところだが、高齢者層の反発もある。 すくなくとも、これ以上の増加には歯止めをかけよう。 その上で、消費税を社会保障税に名称替えして、税率を引き上げ全額を年金や医療費に向ける。 それでもって、社会保障費と社会保障税をワンセットにして一般予算から切り離す。
一般予算は純粋に税収との兼ね合いにしてしまえば、無駄な予算というものに大鉈を振るえるはず。 利権とか既得権なども徹底的に削ぎ落としてしまえる。
そうすれば、財政赤字は激減し国債の新規発行も減らせる。 できるだけ早い段階で、新規国債の発行よりも既発国債の満期償還が多くなるようにする。 それが軌道に乗っていけば、国の借金も徐々に減り始める。
このぐらい大胆な財政改革を一刻も早くやってのけるか、財政破たんが先に来てしまうかは、神のみぞ知るところである。