7年4か月ぶりの新高値

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 さわかみファンドの基準価額が2007年7月につけた高値を、ようやく更新した。 ずいぶんと時間がかかった新高値である。

 その間には、2007年8月のサブプライムローン問題発生や2008年9月のリーマンショックといった世界の金融バブル崩壊で、欧米先進国中心に一歩間違うと金融不安に突入しかねない嵐が吹きまくった。

 金融バブルに乗り遅れ気味だった日本の金融界は、結果として軽微な影響を蒙るだけで済んだ。 ところが、日本株市場だけはお粗末きわまりなくて、なんと世界で一番下げた。

 日本株市場は不良債権処理で、2003年につけた1982年の水準への暴落から回復してきていたのに、その水準をも下回る安値にまで叩き売られたのだ。

 ここは長期投資家の本領発揮の場と、さわかみファンドは安値を買って買いまくったものの、しょせん多勢に無勢で基準価額は大きく下がることになった。 さすがに、平均株価ほどには下がらなかったが、2007年に2万円を超えた基準価額は9000円台にまで下がってしまった。

 その後、日本株市場は長いこと低迷相場をのた打ち回る展開となり、さわかみファンドの基準価額も冴えない状況が続いた。 それでも安値をたっぷりと買い仕込んだ効果で、株価全般が戻りに入ると基準価額の上昇ピッチは上がった。

 ちょうど2年前の11月に当時の野田首相が衆議院を解散すると発表してからは、状況が一変して日本株市場は急速な戻りに入った。 さわかみファンドの基準価額も順調に伸び、新高値更新も早いと期待した。

 ところが、昨年の年初からの解約急増が痛かった。 証券の売却益課税が10%から20%へ引き上げられることでの駆け込み解約が、さわかみファンドいも殺到した。

 安値をたっぷり買い仕込んできたから、上昇相場を一気に駆け上がるぞと楽しみにしていたのだが、解約に応じるための現金化で早めに売りを出さざるを得なかった。 それで新高値更新に手間取ってしまった。

 お客様には利益確定の売りで、それなりの財産づくりをしていただけたわけだが、せっかくここまで頑張ってもらったのだ。 本当は、もっと高値を楽しみにしていただきたかった。

 ともあれ、新高値は更新した。 次なる目標は3万円そして5万円だ。 日本における長期投資のパイオニアとして、さわかみファンドはもっともっと上を目指したいものである。