今日の11月末のさわかみ投信月次報告書は久しぶりに明るさを前面に出せる。 この半年間というもの、モタモタする株価にイライラさせられ通しだったので、ちょっとは溜飲を下げさせてもらってもいいだろう。
前から書いてきたように、日本株市場は売りが枯れているから、いつ上昇に転じてもおかしくはない。 ほんのちょっと買いが入るだけで、株価は想像以上に軽々と跳ね上がっていく。 ところが、これまでの長期ダラダラ下げのトラウマで、誰も自分からは買おうとしない。 そして、なにか悪材料が出る度に ”やはり、株価は弱い” と、脅え心を強めるばかりだった。
そんな中、衆議院の解散と12月16日の総選挙が決まった。 マーケットは即座に歓迎の号砲を上げた。 もやもやしたものが吹っ切れたように株価は反発した。 ほんのちょっと買いが入ってきただけだが、日本株市場は様変わりの明るさを見せはじめている。
といっても、まだ弱気の投資家がほとんど。 だから、この勢いに乗ってどんどん買っていこうとするよりも、ただ上昇相場を眺めている投資家が大半。 あるいは、すこし上がったところをすかさず売っておこうとする。 これは、21年にわたる下落相場が日本株市場に染み付いてしまっているからのヘッピリ腰といえよう。
そういった状況は、むしろ歓迎である。 なぜかといえば、株価上昇に疑心暗鬼の投資家が一杯いることで、線香花火のような一過性の相場反発とはならないからだ。 じりじりと相場が上昇していくにつれて、弱気の投資家が一人二人と参加し始める方がいい。 その結果、意外と息の長い上昇相場になることが多い。
面白いことに、海外の投資家の反応は予想以上に早い。 彼らにしてみれば、まだ円高の水準にあって日本株買いに入るのはためらいたくなるところ。 しかし、日本株が世界で一番出遅れているのは、世界で常識となっている。 もし日本株が戻りに入るのなら、その波に乗り遅れたくはない。 そんな彼らの気持ちが最近の日本株の買い越し急増に、はっきり現れている。
もっとも、この先の相場がどうなるかは神のみぞ知るところ。 とはいえ、ここは大いに楽観的な気持ちをこめて今後の展開を見守っていこう。 どっちみち、われわれは既にたっぷり買い仕込んであり、いつ本格的な上昇相場が到来しても自動的に乗れてしまう。
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