企業の価値

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 週末に若手経営者や自営業者のためのセミナーがあった。 これからの事業経営と地域経済の活性化を中心テーマに、質疑応答ベースのセミナーで活発な意見交換があった。 その中で、お金を意識してでも経済の現場へまわしてやろうという点は、参加者にとって新鮮な考え方だったようだ。

 企業経営は富を生み出し、経済の拡大発展に寄与することを常に意識しなければならない。 生み出す富の中には利益だけではなく、人件費や減価償却費、利子や賃借料の支払い、それに税金を納めることまで含まれる。 これら全部を合わせて付加価値という。

 付加価値額が大きければ大きいほど、その企業の社会における存在理由も高くなると考えられる。 人件費にしても賃貸料にしても、それだけ支払えるということは、企業がそれだけの富を創出したともいえるわけだから。 

 同時に、それだけ多くお金を使った、あるいは世の中へお金をまわしたともいえる。 もちろん、個人事業で3人4人の雇用を創出しているだけでも、経済や社会に大きく貢献していることになる。

 いつも書くように、経済は動いているお金の量とスピードで、その規模と成長率が決まってくる。 より多くのお金を経済の現場に投入してやることで、経済活動をどんどん活発化させることができる。 その主体となるのが、事業であり長期投資である。 どちらも、経済の現場へ資金を投入することには変わりない。

 そこで一般的には、資金投下でどれだけ儲かるか、損は出ないだろうかといった点が強く意識される。 われわれ長期投資家は違う。 どんどんお金を投入してやって、まずは経済活動を元気一杯にして、やる。 お金をまわすということは、それを受け取った人にとっては収入である。 その収入を商売や事業などを通して別の誰かの手に渡していくことで、経済は活発に動くわけだ。

 お金が動き経済活動が元気になれば、経済全体のパイも大きくなる。 パイが大きくなれば、それだけ一人当たりの受け取り額も増える。 どれだけ儲かるかとかの計算をいちいちしなくても、投下した資金が増えて戻ってくる循環を作っていけば、ビジネスも財産も大きくなっていくものだ。