香港(その2)

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 さすがに金融と観光を2大柱としている香港だけあって、入国審査から市内までの所要時間は驚くほどに短い。 一連の流れが、やたらとスムースに運び、便利この上もない。

 次に驚いたのは、超高層ビル群がひしめき合って林立していることだ。 昔は、香港島の山の斜面に多くのビルがにょきにょきと建っているのが名物だった。 それが、いまや超高層ビル群の陰に隠れて斜面などまったく見えない。 その超高層ビル群も多くが互いに連結されていて、横への移動が実に簡単。

 1階や中2階はショッピングセンターやブランドショップが、これでもかこれでもかと並んでいる。 その割には、店内に客は結構入っている。 現地の人に尋ねたら、香港の景気はすこぶる良いとのこと。

 その背景には、個人の所得税が一律15%と恐ろしく低率だから、人々はみなアニマルスピリットをガンガンに燃やしていることが挙げられる。 働けば働くほど実入りがいいから、誰だって猛烈に働きたくなる。 また、法人税も16.5%と世界最低水準にあるから、企業にとってもビジネス拡大を積極化させない理由はない。

 強者の論理だとか貧富の格差拡大とか、批判的にみればいくらでも問題点は指摘できる。 現に、拝金主義があちこちで目撃できる。 しかし、香港経済の発展にともなって人々の生活水準がどんどん上がっているのも事実。 富の創出拡大により大きく貢献できる人達が先頭に立って、アニマルスピリットを最大限に発揮しているから、経済のパイもそれだけ大きくなっていることが大きい。

 経済のパイが大きくなれば、それを分配する余地も当然のことながら大きくなる。 結果として、多くの人々の豊かさに貢献できることになる。 その逆を行っているのが、まさしく日本である。 やたら平等主義を前面に出して、アニマルスピリットを高める政策などは金持ち優遇にすぎないと、一刀両断に切り捨てる。 それでいて、弱者のためとか耳に甘い言葉を並べたり、分配ばかりを語っている。

 パイが大きくならなければ、分配も何もあったものではない。 ひたすら国民総貧民化の方向に突っ走っている日本の政治家に、香港の活力の源泉はどこから来ているのか、ほんのちょっとでもいいから学んでもらいたいものだ。

 

 明日夜8時からはインベスターズTV生放送です。香港の模様も一部公開します。

 http://www.investors-tv.jp/live/

 

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 本を出しました。今回は電子書籍版として、スッと読めるボリュームに抑えました。 さわかみ投信現社長の黒島の本も合せてご紹介します。ちなみに、黒島の本は紙媒体も用意しております。

 澤上篤人「お金をまわして日本を元気にさせよう」
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 黒島光昭「特許物語」
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