ずいぶん昔、まだマーケットにどう勝っていくかに躍起となっていた、若い頃を思い出す。
本格的な長期投資を学んできたものの、まだなおマーケット動向が気になって仕方なかった。
たとえば、いま現在のような展開をどう読み、どう行動するかで、シャカリキになっていたものだ。
NY株式市場は下げている。 そんな中、ハイテク株は結構頑張っている。
それに対し、日本株は昨日も今朝も、驚くほどの強い上昇を見せている。
さて、これをどう読むか? NY株式市場の下げは続くのか、どこかで反転上昇となるのか?
上値が軽い上げをみせている日本株市場だが、戸惑い気味の投資家の間で、真空地帯を駆け上がっているだけなのか?
いろいろな読みができる。 それらにどう対応していくのか? あるいは、どちらかの読みで勝負するのか?
そんなことやっていたら、結果的にはマーケットに振り回されるだけで、長期投資どころではなくなる。
とりわけ、当時は機関投資家の資金を主として運用していた。 機関投資家顧客もマーケット動向を気にする。
ひんぱんに、マーケットはどんな状況か、どう対応していくのかを報告してくれとくる。
せっかく本格的な長期投資を学んできたのに、どっしりと腰を据えた長期投資運用どころではない。
結果的には、マーケット追いかけ型の短期運用に引きず入り込まれていくだけではないか。
そこで、45年ほど前のことだが、これからは本格的な長期投資に徹し、マーケット動向に振り回されまいと決めた。
長期で見て投資価値が高まっていくであろう企業を厳選し、「安い時に買い、高くなったら売る」に徹するのだ。
マーケット動向とはつかず離れずの投資スタンスを守り、あくまでもこちらのペースで買っては売りを繰り返す。
そういった長期投資に徹すれば、安定度と再現性の高い運用で、投資リターンを積み上げていけるはず。
機関投資家をはじめ投資家顧客も、そんな長期投資運用を良しとする顧客に絞り込む方向に舵を切った。
それからは、がぜん楽になった。 企業の調査リサーチに力を入れ、あくまでもマイペース運用を貫く。
機関投資家顧客は相変わらず上に報告するためとかで、うるさかったが、嫌なら解約してもらって結構で押し通した。
結果として、1980年代後半のバブル高と90年からの暴落相場を、早めの売り上がりで乗り切れた。
いま2008年のリーマンショック前を上回るバブル高となっているが、一刻も早くマーケットから離れるに如かずだ。
この先のマーケット動向を追いかけて、わずかばかりの投資リターンを狙うより、その先の暴落を食らわないことだ。
