さわかみグループでは、ずいぶん早いころから「ヴィレッジ計画」というものを発信してきている。
いまだに計画が実現に移されていない理由は、広大な土地が手に入らないためだ。
創業してから10年ほど赤字経営に苦しんだが、そこを脱した瞬間から2人の特命チームに土地探しを指示した。
全国の航空写真でもって200ヘクタールを超す空き地を調べ上げ、それらのすべてに2年ちょっとかけて回ってもらった。
各自治体の長とも話をして、ヴィレッジ計画を披露するが、ほとんどが地元への利益誘導しか考えてくれなかった。
うち5か所だけが、ヴィレッジ計画に興味を示してくれたので、正式に訪問してウチの意図を説明した。
その上で、2か所に絞り込んで、正式に土地の取得に進んだ。 こちらは表に出ず、市とか県に購入交渉を委嘱した。
ところが、こんな土地くれてやってもいいと言っていた所有者たちだが、いざ買いに行くと、やたらと売り渋る。
2年ちょっと悪戦苦闘しながら土地の買い取り交渉を進めていた折、日本中でパッと太陽光発電ブームが広がった。
土地は売らず、20年の賃借で毎年いくらかの現金が入る。 地主たちはオセロゲームのように太陽光発電へと一転した。
そのとばっちりで、こちらの土地取得交渉は振り出しに戻ってしまって、今日に至っている。
その後も、広い土地の取得に向けて、さわかみ財団がアンテナを張っているものの、なかなか取得に至っていない。
そもそも、ヴィレッジ計画ってどんなものか? 本格的な長期投資を続けていると、地方に住む方が圧倒的に有利となる。
生活者にとって大事な企業をずっと応援していく長期投資なら、どこに住んでも十分に運用していける。
そして長期投資の果実、たとえば100万円だが、東京に住もうが地方に住もうが100万円である。
ところが、地方の方がコストは圧倒的に安い。 同じ100万円でも、地方に住む方が使い勝手はダントツに高くなる。
そういった長期投資仲間が、我々のヴィレッジに1000人3000人と移り住めば、どうなるか。
それぞれの積み上がってくる長期投資のリターンでもって、理想の生活空間ができていくはず。
自然豊かな地方に住んで、文化・教育・芸術・スポーツ・技術開発、なんでも最高のものを手にすることができる。
ちょっと安いからと、やたら郊外店に群がるのではなく、地元の商店などでの会話を楽しむ、一昔前の生活に戻せる。
みなが心豊かにやさしく生きていける。 本格的な長期投資あってこその、理想的な生活空間を誰もが手にできるわけだ。
それが、ヴィレッジ計画であって、必ず実現させたい。
