1979年からプライベートバンキング(PB) の仕事にかかわって来た。
いってみれば、日本におけるPBの草分けである。 それも、本物のPBビジネスの先駆者として。
そのPBビジネスだが、最近では日本でも世界でも富裕層をターゲットとした、利幅の厚い商売となっている。
それは、表層的な解釈であって、PBビジネス本来の姿からは遠く離れてしまっている。
PBビジネス本来の姿? そう、顧客資産を「時代を超えて、いかにお守りしていくか」に尽きる。
つまり、顧客資産の保全だ。 人間のやっていることだ、いつどんなことが起きるか知れたものではない。
そこへ天変地異も絡めてくると、人生を全うしていくにも、ファミリーを守っていくにも、金銭的な安心は確保したい。
つまり時代を超えた資産の保全だ。 資産の保全となると、何に対してかの優先順位がある。
第1が戦争だ。 世界大戦クラスの戦争とまでいかなくとも、大きな戦乱などに直面することは起こり得る。
そんな時でも、堂々と生き残っていける資産の裏付けがあると、どれほど安心か。
第2が、インフレに対してだ。 本格的なインフレに襲われると、財産は大きく目減りする。
そういったインフレ襲来に右往左往することなく、資産価値を守り大きくしていけたら、どんなにありがたいことか。
第3が、社会的な変動や混乱に対してで、昨今のウクライナのように状況下で、どう生活を守っていくかを考えるといい。
第4第5の順位となって、ようやく通常の運用の世界でターゲットとしている、景気や金利の変動が入ってくる。
いま世界情勢をみるに、根の深いインフレがジワジワと迫ってきている。
世界経済のサプライチエーンが、関税や地政学リスクの高まりによって分断され、コスト高が蔓延しだしている。
そこへ、トランプ政権がベネズエラを軍事圧力で支配下に置くなど、国際法を無視した暴挙に出た。
プーチンのウクライナ侵攻と同じことをやりだしたわけで、他の権威主義国家をますます勢いづけることにもなる。
これまでの世界の秩序に対し、武力と無法が横行しだすと、マーケットも敏感に反応するのは間違いない。
時と場合によっては、景気や金利の変動を超えた経済や社会の混乱も、マーケットに襲いかかってくる。
そうなると、ますますをもって本物のプライベートバンキングの出番となる。 さあ、どうしたらいい?
簡単なこと。 われわれ本格派の長期投資家がいつも心掛けている長期投資を淡々と続けるだけでいい。
マーケットや経済が荒れれば荒れるほど、本物の長期投資がいぶし銀の輝きを増してくるよ。
