40日を超した政府機関の閉鎖は解除されたが、共和党と民主党の政治駆け引きが相変わらず続いている。
そもそもの問題は、米国の政策運営に支障をきたすほどに財政が悪化していること。
国債発行などで、追加予算に必要な資金手当てをしたいが、政治駆け引きで議会の承認が取れない。
そのため政府資金が尽きて、公共サービスなど政府機関の閉鎖となってきたわけだ。
この先、両党が折り合ったところで、それは年末までの暫定措置にすぎない。
年明けすぐに、米国では財政の崖といわれる債務問題が控えている。
さらに大きな債務拡大を議会が認めなければ、予算が執行できないという事態に陥る。
米国ではずっと、財政の崖ですったもんだした後の政府債務拡大を繰り返している。
それで、世界最大の債務国という不名誉な称号を盤石なものとしてきた。
いまトランプ政権が関税戦争を仕掛けているが、関税収入を高めて国庫を潤し、米国の債務を減少させようということだ。
その思惑通りに運ぶかどうかは、いずれはっきりしてくる。 おそらく、難しいだろう。
関税を引き上げれば、米国の輸入物価が上昇し、いずれは米国内の物価にも及んでいく。
それが、米国の経済活動にマイナスとなれば、税収は落ち込み財政赤字はさらに悪化する。
それを警戒してか、報道では景気対策として米国人ひとり当たり2000ドルを配るとか。
そんなことしたら、政府債務の減少に貢献するどころではない。
ともあれ、トランプ政権は場当たり的な政策を次々と発表してくれるが、経済活動に混乱をもたらすばかり。
そういった混乱は、金融マーケットで思わぬ事態を引き起こすことも、頭の中に入れておこう。
たしかに株式市場は、米国の政府機関閉鎖の解除で上がっているが、いつまで続くことやらだ。
われわれ本格派の長期投資家からすると、実体経済をベースとした企業活動に集中しよう。
政治や金融マーケットで何が起ころうと、人々の生活は続く。 それを支える企業活動も、一時として止まない。
そこだけに焦点を当てて、安いものは買っていくが、高くなれば売っていく長期投資のリズムを守ろう。
それも、マイペースでもってだ。
