株高の勢いが増している。 日経平均株価は毎日まるでピンポン玉のように跳ね上がっている。
新聞などメディアの報道も、日本株の出遅れ感だとか、世界的にみてもまだ割安だとか、盛んに株高を煽ってくれる。
投資家心理としても、株高の勢いが増してきているので、ますます強気を張れる。
こういった破竹の勢いが、まだまだ続くといった雰囲気が株式市場に充満してきている。
まさに、バブル現象である。 とはいえ、これはバブルだから早めにバブルから逃げようなんて、誰も考えない。
それどころか、株価上昇の勢いに乗った買いが、どんどん集まってくる。 だから、バブルなんだけどね。
いつのバブルでも、はじけた後になってはじめて人々は、あれはバブルだったと認める。
その時は、もう遅い。 バブル崩壊で売りが殺到し、それが株価下落をどんどん加速させる売り地獄となる。
マスコミは、バブルがはじけたらはじけたで、その様子を報道するだけだから痛くも痒くもない。
ところが、投資家たちにとっては大損と売るに売れない投資残で、それこそ阿鼻叫喚の地獄絵図である。
そんな地獄に落ちたくないのなら、バブル高の今の間に売り逃げしておくに限る。
バブル高の間だったら、いくらでも売れる。 後になれば、最高の利益確定ができたと鼻高々だ。
とはいえ、現状はバブル高の真っただ中。 まだまだ上がるの勢いに追い立てられるかのように買っている。
われわれ本格派の長期投資家からすると、こんなバブル高からは一刻も早く遠ざかるに限るだ。
投資なんてものは、売って利益を確定して、それで一件落着である。
しかるに、いまバブルに踊っている人達は、「まだまだ株価は上がる」しか念頭にない。
売って投下資金を回収し、なおかつしっかりと利益を確保する、なんて考えはどこにもない。
そんな彼らには、バブル崩壊に直面し大きな投資損を抱えて、売っておけば良かったの後悔が待っている。
一方、音楽が鳴っている間は踊りを止められない機関投資家たちは、「暴落相場は不可抗力でした」と弁解することになる。
とんでもない無責任であって、フィデュシャル・デューティー(受託者責任)など、どこへやらである。
投資家顧客に対する受託者責任を果たそうというのなら、バブル高のマーケットから離れる投資判断があってしかるべき。
でも、踊りを止められない機関投資家たちだ。 彼らは、ずっとバブルについていって、暴落に遭遇することになる。
どちらにしても、われわれ本格派の長期投資家が真骨頂を発揮するのは間違いない。