NY株式市場も東京株式市場も最高値更新の道を驀進している。
来週にも発表される利下げが、いまや確実視され、それを大騒ぎしては買い上がっている展開である。
で、その後どうなるのだろう? 材料出尽くしで買いの勢いが止まれば、反動売りが殺到するのは必至。
いや、他の新しい買い材料が飛び出てくる? たしかに、そこがマーケットのおもしろいところでもある。
株価上昇の勢いが強いと、どんどん買い上がっているうちに、マーケットでは次々と新たな買い材料を見つけ出す。
いわゆる、上昇相場が新たなる買い材料を生み出し、育て上げていく展開である。
そうはいうものの、来週の利下げ発表で材料出尽くしとなって、大きく売り崩されていく展開も大ありだ。
むしろ、そっちの可能性の方が高い。 なにしろ、先行きの下げ材料は目白押しなんだから。
先ずは、トランプ関税が徐々に効きだして、いろいろな経済活動分野でマイナス指標が、これから出てくる。
たとえば、関税を引き上げた分は、間違いなく世界の貿易全般を縮小させる。 それだけ生産コストを引き上げる。
企業にとってのコスト上昇は利益圧迫要因となる。 また、売り上げ減少にもつながっていく。
輸入物価の上昇は国内での値上げを促進させ、インフレ押し上げ要因となっていく。
当然、先行きの金利引き上げ要因となっていく。 なんのことはない、来週の利下げも一時的なものとなりかねない。
それらのどれもが消費減退を招き、世界的にみて経済成長率を押し下げることになる。
上に挙げた、どれもこれも、株価全般にとっては売り要因となっていく。
次に、トランプ関税が行き過ぎると、世界的にインフレは進むが、経済は大きく落ち込みかねない。
そうなると、スタグフレーション突入という事態もあり得る。 不況と物価高の混在で、経済活動は大きくダウンする。
スタグフレーションともなると、金利を引き下げて経済活動を高めたいものの、物価高で金利は高めで推移する。
もちろん企業活動全般は低迷を余儀なくされ、収益動向も大きく落ち込む。
当然、株価全般は売られがちとなり、現在のカネ余りバブル高のマーケット展開とは真逆の低迷相場が常態となる。
投資家はどう行動したら良いのか? とにもかくにも、大きなガラは食らわないことだ。
これだけカネ余りバブル高のマーケットが続いたのだから、その反動の売り地獄は半端ではない。
多くの投資家たちは消え去っていく。 機関投資家も惨憺たる状況に叩き落される。
ひどいマーケット状況となるが、世界の人々の生活はなくなりっこない。 企業活動も続く。
つまり、われわれ本格派の長期投資家にとっては、ようやく本領発揮の出番到来だ。