どうなってるの、この先は大丈夫かよ。 そう頭を傾げたくなるような展開が、政治にもマーケットにも続いている。
石破首相が辞任を発表するや、次の総理は誰になろうが財政拡大政策を採るであろうと、株式市場は大幅高となっている。
今回の参議院選でもそうだったが、与党も野党も選挙民の関心を呼ぶべく、甘ったれた政策が目白押しだった。
やれ消費税を引き下げるとか、やれ現金を給付するとか、財政難などお構いなしのバラマキ政策のオンパレードだ。
選挙民である国民の立場からは、物価高の折だし消費税の税率引き下げや現金給付はありがたい。
でも、世の中にタダはない。 おねだりすれば、必ずお返しをしないといけない。
なのに、どの政治家も票を獲得するためと、甘い汁ばかりをがなり立てている。
まともな政治家であれば、先々の国民の負担が大きくなるような無責任な政策はとうてい打ち出せない。
しかし、そんなことよりも目先の選挙で勝つことだ。 国民も甘い汁に吸い寄せられる。
結果として、バラマキ政治がこれでもかこれでもかと続いていくことになる。
その先は? 財政は破綻状態に陥り、年金など社会保障はじめ行政サービスが滞って、国民生活を脅かすことに。
そうなって慌てても、なす術は残っていない。 もはや苦い薬も効き目がなくなっている。
おそらく大変なことになろう。 その時になって、政治家たちの無責任を問うても、時遅かりしだ。
マーケットも同様である。 ここへきての株価大幅上昇は、金利引き下げや、財政支出の拡大をおねだりしてのもの。
ワーッと湧き上がっている間はいいが、そのうち材料出尽くしとなって、相場は下げに転じる。
おねだり相場は実にはかないもの。 あっという間に、元の木阿弥となっていく。
その時、ここまでのカネ余りバブル高のマーケットだ、売りの勢いがついてしまうこともあり得る。
そうなれば、凄まじい下げ相場に火がつくことにも。 まあ、そこは神のみぞ知るの世界。
われわれ本格派の長期投資家は、いつもマーケットとはつかず離れずの立ち位置を守る。
そして大きく下げたら、将来に向かって価値を高めてくれていくだろう企業の株を買うだけのこと。
とはいえ、カネ余りバブル高のマーケットの崩壊ともなると、よほど下げた段階からの買いとなろう。
しばらくは、マーケットはおろか経済社会の大混乱を、じっくり眺めることになるのだろう。