イスラエルによるイラン空爆と、それに応酬しようとイランによるミサイル攻撃。
突然の中東での軍事作戦で、原油価格は高騰し、それがロシアを有利にしている。
ウクライナ戦線で兵士や兵器などの消耗に手を焼いていたプーチン大統領にとって原油価格の高騰は貴重な援軍となる。
先ほどの発表で、トランプ氏はカナダでのG7会議を中途で切り上げ、急きょ米国へ帰国するという。
関税問題その他の案件でサミット合意を目指していた日本など各国は、まさにタガが外されたかのよう。
その米国では、カリフォルニア州での州兵や海兵隊の動員に、全米で反トランプデモが広がっている。
こう書いてくると、相当に荒れ模様となっておかしくない株式市場など各国のマーケットだが、逆に上がっている。
一体、どうなってるの? こんな状況下で株高とは、それだけの好材料があるのだろうか?
あるいは、カネ余りバブル高のマーケットの燃えカスが、まだくすぶっているのか?
昔だったら、嵐の前の静けさで、投資家は警戒モードに入っていたのだが。
そういった警戒モードすら感じさせられない株価上昇が続いているのだ。
現に、トランプ氏の政策をTACO と揶揄する表現が、世界あちこちで語られている。
Trump Always Chickens Out 、つまりトランプは張ったりをかけるが、いつも腰砕けとなる。
そういった、トランプ政策のへっぴり腰に、中国はじめ世界が操り方を身につけだしているといった感じか。
とはいえ、株式市場はじめ世界のマーケットが楽観に構えていて、本当にいいのだろうか?
われわれ本格派の長期投資家は、「分からないものからは遠く離れておく」の大原則を崩さないことだ。
その上で、社会正義とか道徳心や倫理観を捨てたりの、決して儲かればなんでもいいに走らないことだ。
かりに、そのうち中東の戦火が収まったとしても、イスラエルのガザ攻撃など非人道的な行動は許されない。
また、そういったイスラエルを支持し続けている米国の正義心やモラルも、どうなってるのだ。
長いめでみれば、世の不合理や不条理は正されていく。 またその方向にお金をまわしていくのが、長期投資である。
まさに、より良い世の中をつくっていく方向で、一人ひとりの行動が問われるところだ。