今日が今年の仕事納め。 といっても、われわれ長期投資家は今年1年を振り返ってとかは興味ない。
考えるは、来年に向けてどんな準備をしていこうか、そればかりである。
世界の金融マーケットをみるに、秋深まってすっかり葉っぱが落ちた柿の木の枝に、熟柿がぶら下がっている。
もういつ、熟柿がボタボタと落ち始めてもいい、そんな感じかな。
ゼロ金利や空前の大量資金供給で、カネ余りバブルといっていい状態がずっと続いてきた。
それで膨れ上がるにまかせてきた世界の金融マーケットと、張りぼての経済だ。
熟柿のように落ち始めたら、世界の金融ならびに経済に大きな影響を及ぼすのは間違いない。
現に、世界的なインフレ台頭と金利上昇という、経済合理性の刃が突き刺さってきている。
それらが本格的に影響を及ぼしてくるのは、いよいよ来年からだ。
ちなみに、世界の総債務残高は、世界GDPに対し363%にまで膨れ上がっている。(世界金融協会)
この12年で、世界GDPひとつ分の借金が上乗せされたわけで、それは取りも直さずゼロ金利の産物である。
それら借金の借り換えが来年から始まるが、そこに金利上昇が重くのしかかってくる。
ひとつ間違えると、デフォルト(債務不履行)の山が築かれてもおかしくない。
また、そういったニュースで株式市場や債券市場が大きく崩れる展開も大ありだ。
債券市場が崩れれば、債券の流通利回りが上昇し、市場金利が暴れ出す展開も見えてくる。
市場金利が暴れ出す? そう、国債や社債などを保有している投資家が売るのは自由。
債券の売りは流通利回りの上昇に直結する。 それが、市場金利の上昇である。
市場金利が上昇しだすと、いくら日銀が政策金利を低く抑えておこうとしても、絶対に止められない。
それはそのまま、国の財政運営や日銀の国債保有などに、大きな足かせとなっていく。
株式市場や債券市場はじめ金融マーケットの暴落や、いろいろな経済的混乱が噴き出てくるのも避けようがない。
それらはどれも、経済が正常化に向かっていくに避けて通れない道である。
さて、新年はどの程度の荒れ模様となるのかは、それこそ神のみぞ知るの世界。
ただ、われわれ本格派の長期投資家にとっては、活躍の舞台が大きく広がるのは間違いない。
皆さん、どうぞ良いお年を!