どう考えても、世界の株価がこれだけ高値追いで買われる状況にはない。
コロナ禍の影響で世界経済は蒸発したかのような状況に叩き落された。 現状は、そこからの立て直しで懸命な努力を重ねているところだ。
いくら株価が景気の先行指標といっても、とてもではないが株式を積極買いするほどに各種ファンダメンタルズは改善の途についていない。
唯一の買い材料は、カネあまりだ。 それも、途方もなく巨額の資金が行き場を求めて株式市場に流れ込んでいるのだ。
各国政府はコロナ対策で、もうタガの外れたかのような財政投入を続けている。
中央銀行はこちらも大幅に枠を拡大した金融資産買い取りで、資金を大量に供給し続けている。
その上、いまや世界の中央銀行ともいわれている米FRBだが、そこのパウエル議長は2023年までは金利を上げないと言明している。
国や中央銀行がすさまじい勢いで資金をバラ撒き、なおかつ金利は上げないとなれば、投資家にとってはもう怖いものなしである。
株価上昇のトレンドに乗って、いくらでも高値を買い上げられる。 なにしろ、大きく売られる懸念がまったくないのだから。
それを見て、個人もカネあまりバブル高の投機にどんどん参加してきている。
米国では、多額の失業対策費がばら撒かれ、そのお金でもって一儲けしようとする「イナゴ投資家」が跋扈している。
そういったトレンドを見る限り、このバブル株高が崩れる気配など、まったく感じられない。
個人のバブル投機はもちろんのこと、機関投資家も安心しきって株式市場に資金を投入し続けている。
これぞ、まさしくバブル症状、ここに極まれりだ。
満月の欠けるところを知らずといっている状況と同じで、そこが案外とピークだったとなるのでは。
はっきりしているのは、皆がみなバブル買いに参加していて、それこそ目一杯の投資をしていること。
ひとたびバブルの逆回転がはじまるや、それこそ皆がみな売り逃げに走り、収拾のつかない混乱は避けられまい。
これだけ大量に資金をバラ撒いた後の、バブル崩壊だ。 修羅場のような売り地獄となろう。
そんな修羅場の金融マーケットで、われわれ長期投資家が一躍脚光を浴びることになるのは間違いない。
このバブル高相場とは一線を画して、われわれは長期投資家らしいポートフォリオを構築してきた。
それが奏功して、バブル崩壊の修羅場を横目にV字型の株価急上昇トレンドに乗っていこう。
この辺りは、明日また書こう。 大きな暴落相場の後、必ず起こる現象である。