さわかみオペラ財団の新しい寄付制度がスタートした。 公益財団として社会的に意義ある活動を、さらに進化させることになる。
これは、一定以上の音楽レベルをもち、新しい挑戦をしようという歌手や演奏家たちを、みんなの寄付でもって支援する制度である。
音楽家のみならず芸術家やスポーツマンの多くは、相当に厳しい生活を強いられても、好きだから頑張っているといった面が強い。
生活の厳しさは、彼ら彼女らの本物度を鍛えるという意味でも、避けて通れない道と考えよう。
したがって、うんと苦労するといい。 その過程で、どこまで本気で自分の道に立ち向かっているかが試されるし、人間性も磨かれる。
一方、「ここで10万円とか30万円あれば、こんなことができるのに」で、切歯扼腕するケースはひんぱんに発生する。
日々の生活でさえギリギリなのに、新しい挑戦をするなんて、とても余裕がない。 かといって、一般的な企画を待つだけではつまらない。
チャンスそのものが限られている。 また、日本の悪しき慣習として、チケット販売ノルマと抱き合わせの企画がやたら多い。
そんなとき良き理解者に出会えるといいが、なかなかそう上手くはいかない。 よほどお金持ちの子弟なら別だが、ふつうは難しい。
たとえば、自分あるいは自分たちの演奏や歌唱を世に問いたい。 そんな時、ちょっとしたホールを借りる資金があれば、どれだけありがたいことか。
そこで、チケット販売までつなげられるか、手弁当のコンサートになるかは別として、自分たちの日頃の成果を世に問うチャンスだけは自分たちで作れるのだ。
こういった挑戦に道を開いてあげるのが、みんなの寄付である。 幸い、さわかみオペラ財団は公益財団としての優位さがある。
つまり、みんなの寄付に参加してもらうと、40%前後もの税控除が得られるのだ。 税優遇を受けながら、音楽家や歌手たちの羽ばたきを手伝ってあげるのだ。
これって、相当に「カッコ好いお金のつか方」と思えないか。