こんなもの、まだはしりの段階だよ

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今週に入って、アジア、ヨーロッパ、そして米国の株式市場が大きく下げている。

日本は昨日は休日だったから、今日は朝から連れ安相場に見舞われることになろう。

新型コロナウイルスによる肺炎感染者が世界に広がっていることで、世界経済に大きなマイナスになるのではという懸念が株式市場で売りを誘っているわけだ。

この下げが、すぐ収まるのか、これから大きく崩れていくのか、そこは神のみぞ知るところ。

本来なら、世界経済にブレーキがかかるということで、もっと早くから株価が大きな下げ調整に入っていてもおかしくはなかった。

そして、特効薬の開発や感染の鎮静化に伴って、それを先取りする買いが集まってくる。 それが、通常のパターンである。

ところが今回は、世界的な金あまりがなせるのか、株価は大崩れすることなくここまで来た。 いつもとは、まったく違う展開である。

ようやく、ここへきて崩れの走りが出たかなというところだ。 したがって、今回の崩れが本格的なものか一時的なものか、見当もつかない。

ひとつ、はっきりしていることは、株価と原油価格が大きく下がっているだけ。

むしろ、安全資産といわれている米国債などへの資金シフトで、米国の長期金利は大きく下げている。

この状況を見るに、金あまりバブル相場はまだビクともしていないと判断できるのかもしれない。

そうなのだ、金融マーケット全般に、金あまりディーリングの熱気は、いささかも衰えていない。

さて、この安心感というか慢心は、いつどこで不安と恐怖に転じるのだろうか?

おそらくだが、金あまりで突っ走ってきた企業経営の一角でもぐらっと来たら、状況は一変しよう。

ジャンク債が売りを浴びたり、債務超過企業で大型倒産でも出てくると、信用不安の連鎖がぱっと広がることにも。

そうなると、金利は上昇に転じる。 それが、金融バブル崩壊の号砲となるのだろう。

それが今なのか、そのうちなのかは別として、いずれ起こるのは避けようがない。

とんでもない大混乱となろうが、世界経済の健全なる発展のためには、いつか通らなければならない道である。

われわれ長期投資家にとっては、いよいよ大歓迎の展開となってこよう。