昨日の続きとなるが、早くも米国とイランとの間で緊張が高まり、株価は大きく下げた。
さあ、この先どうなるかと思っていたら、昨日のNY株式市場は高く引けた。
どうやら、このままズルズルと下げていくことはないようだ。 先ずは、ひと安心か。
しかし、マーケットや経済がいつ大荒れしてもいいほど、マグマは溜まっている。
なにが引き金となってもいい。 どこか一角が崩れ出したら、すぐさま横へ連鎖していく、それも世界中で。
債券市場の大崩れと市場金利の急上昇は、昨日たっぷりと書いた。 他に、どんなきっかけがあるのだろうか?
なんでもいい。 中東などでの地政学的な問題の深刻化でも、なにか国際的な突発事件の発生でもいい。
いつのバブル崩壊でも、さしたる引き金のないまま熟柿が木からポトンと落ちるように大崩れが始まる。
問題は、そこから先に広がるであろう混乱で、世界経済やマーケットをズタズタにするだろう。 どういうことか?
リーマンショック後、大量の資金供給と政策金利ゼロで辛うじて支えてきた世界の景気は、張りぼてみたいなもの。
中身がないから、ちょっとでも外皮に穴が空くと、すぐさま全体がしぼんでしまう。
張りぼてで膨れ上がってきた富(?)の大半が蒸発し、後には巨額の負債だけが残る。
史上空前の資金供給とゼロコスト金利で膨れ上がった金融マーケットや経済現場での取引だ。
それらの大半が蒸発するとなると、残された負債は想像を絶する額となる。 リーマンショック時の比ではない。
そこへ、昨日も書いた市場金利の急上昇が襲ってくるのだ。 すさまじい売り逃げの修羅場となろう。
金融バブルに踊ってきた、多くの不動産取引や企業売買案件などが宙に浮き、企業破産が続出するだろう。
金融機関の連鎖倒産にも飛び火しよう。 その横で、大量保有している国債の値下がりで、中央銀行の信用力は低下する。
そう、悪性インフレも覚悟しよう。 物価上昇を伴うインフレとは違い、通貨の価値だけが落ちていく質の悪いインフレだ。
酷いことになる。 でも、これは経済や金融の正常化に向けて避けて通れない道である。 覚悟して乗り切ろう。
どちらにしても、人びとの生活がなくなってしまうことはない。 企業活動も消えてなくなるわけではない。
ここが大事なところ。 日本でも1億2670万人の生活があり、世界では毎日20万人ずつ人口が増えている。
人びとの生活を支える企業活動も、ますます大きくなっていく。 つまり、われわれ長期投資家の拠って立つべきところは岩盤であり、むしろチャンス増大なのだ。
われわれの保有株も一時的には暴落しよう。 しかし、すぐV字型の株価上昇となる。
それは、いつのバブル崩壊でも生き残ったマネーが、次の儲け場所を求めて流れ込んでくるからだ。
まあ、今年も淡々と長期投資を進めていきましょう。