米国も日本も株式市場の上値が重くなってきたな、そういった展開を見せている。
それでも米国株市場はしぶとくて、少し休んでは新高値を挑戦している。
といっても、エヌビディアなど一部の銘柄に引っ張られて上げているだけといった感が強い。
一方、日本はとみれば日経平均株価が4万円を超えたものの、その後は重苦しい値動きが続いている。
なにかあれば、米国も日本もドサッと売りが集中するだろうな、そんな予感が強まるばかりだ。
ずっと書いてきているように、リーマンショック後16年間も、空前のカネ余りバブル相場が続いてきた。
株式や債券を買って買いまくってきたわけで、買い残高はとんでもなく巨額に積み上がっている。
それらの一角でも崩れだしたら、凄まじい売りがマーケットに集中することは、火を見るよりも明らか。
そんな折、トランプ氏の第2期が、新年の1月20日からスタートすることが決まった。
彼の就任前からの言動だけでも、波乱要因は盛り沢山で、世界の金融マーケットは戦々恐々としている。
国内産業防衛で輸入関税の引き上げとか、不法移民追い出しの非常事態宣言だとか、どれもこれもインフレ再燃は必至。
となると、金融マーケットが期待してきた利下げが棚上げされるどころか、すごい金利上昇もあり得る。
また、米国第1主義の徹底や、世界の権威主義リーダーたちとの直接交渉は、地政学リスクをますます高めかねない。
となると、世界の金融マーケットはもちろん、世界経済にとっても大きな波乱要因となる。
つらつら考えるに、リーマンショック以来、これでもかこれでもかと金融緩和を深掘りしてきた世界だ。
その反動は、これまたすさまじいものとなろう。 カネ膨れしてきた金融マーケットは、大荒れとなって不思議でない。
マーケットが暴落した分だけ、資産価値がまるでなかったかのように蒸発する。
蒸発した資産価値に対し、まるまる残った返済負担が、投資家はじめ企業や金融機関に重くのしかかってくる。
どこも現金確保に追われるから、金融マーケットや経済の現場では、すさまじい資金不足に陥る。
つまり、いまのカネ余りがウソだったかのような金利上昇や信用収縮を招くのだ。
当然、企業や金融機関の経営破綻も相次ぐだろうし、それが金融マーケットをさらに荒れさせる悪循環となっていく。
ウンザリするような展開だが、その横で実体経済への回帰が徐々に見えてこよう。
50年越しの歴史的な転換が、間近に迫っているということだ。